バッドエンドへの苦言
見事 IWGPタッグ選手権試合を制し、タッグベルトを手に入れた棚橋弘至と飯伏幸太。
ザ・多幸感とも呼べるこの二人のいるリング上に乱入したのは、鈴木軍のタイチ選手とザック選手でした。
ドームの内藤選手とKENTA選手に続くこのバッドエンドに苦言を呈したのは解説席にいた獣神サンダーライガー選手ですが、この苦言とリング上の【勧善懲悪】の微妙なバランスを考えてみました。
勧善懲悪の正しい形とは何か?
ライガーの苦言
まず、ライガー選手の苦言をご覧ください。
「お前らがこういうことするから盛り上がらない」
「これが新日本プロレスと思われたら、それこそ浮上しない」
「ドームもそう、今日もそう、こんなんでどう上がっていくんだよ」
「テメーでテメーの首絞めてどうすんだバカ共が」
「お客さんは高い入場料を払ってきている」
(引用:新日本プロレスワールド)
せっかく多幸感のある結末を迎えたのに、壊してどうするんだ、そして見に来たお客さんに対して、それでいいのか?
このライガー選手のストレートな苦言は
お前ら・バカ共⇒鈴木軍
だけではなく
お前ら・バカ共⇒新日本プロレス
を含んだ苦言とも言えるのかも知れません。
勧善懲悪の正しい形とは?
僕はこのブログで「勧善懲悪」というものに対してしばしば言及してきました。
※お暇な時にでも読んでみてください※
勧善懲悪とは、簡単に言えば「悪者は悪者らしく、正義は正義らしく」というもの。
棚橋選手とジェリコ選手戦が素晴らしかったのも、棚橋選手がジェイ選手をべた褒めするのも、リング上で善と悪がはっきりするからに他なりません。
最近の新日本の流れなのかはわかりませんが、こういったはっきりとした「悪」が顕著ですよね。
「ドームもそう、今日もそう、こんなんでどう上がっていくんだよ」
というライガー選手の苦言は、ライガーの理想とする「悪」と今現在の新日本のリング上での「悪」がマッチしていないのでしょう。
では、悪の正しい形とは?
待望される真のヒーロー
アンバランスな善と悪
ロスインゴ、バレットクラブ、旧ケイオス
内藤選手、今は不在のケニー選手、KENTA選手、正規軍寄りになる前のオカダ選手。
ここ数年の新日本プロレスは圧倒的にこれらダークヒーローが存在感を示してきました。
「悪」という定義自体、曖昧になっていた、とも言うことができます。
棚橋選手の孤軍奮闘というと他の正規軍のレスラーに失礼かも知れませんが、我こそはヒーロー的な立ち位置を堂々とアピールできるのは、彼以外にいたでしょうか。
この圧倒的な善と悪のバランスの中、やはり飯伏選手の存在は大きい。
ヒーローショー的なものを嫌う人は多いかも知れませんが、どストレートな「正義は勝つ」もドラマにとっては大切な要素です。
ヒーローものの番組でいつもヒーローが負けていたら番組は成り立ちませんよね?
棚橋選手とのタッグをきっかけに、ヒーローとして歩みだした矢先にこの乱入なので、ライガー選手の苦言が分からなくもない。
このライガー選手の苦言の解決策は、乱入するとか、仲間が寄ってたかって相手をいたぶるとか、そういったことを今すぐ止めるのではなく、「きっとなんとかしてくれる」という真のヒーローの不在が原因だと僕は思っています。
飯伏幸太は真のヒーローになれるか?
「なって欲しいし、なれる」これが僕の希望であり願望です。
ルックス、体、運動能力、どれをとっても「悪の道」にはふさわしくない飯伏選手。
インターコンチの奪取、G1の制覇、ヘビー級のタッグベルトの戴冠。
残るIWGPヘビーの戴冠をファンから望まれていますが、ベルトの有無に関わらず、「プロレスを広める存在」として邁進して欲しい。
タイチとザック・セイバー・ジュニアの執拗な攻撃はこの先も続くでしょうが、飯伏選手と棚橋選手にしか出せない多幸感とともに巻き返しをはかって欲しいですね。
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