プロレス時評

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【成田蓮と凱旋試合】意外性の無さこそ特別の証

ヤングライオンだった成田蓮がついに凱旋試合を迎えることとなりました。ルックス、精神力、体躯、そして技術に至るまで次の新日本プロレスを担う選手の1人に他なりません。そんな彼の凱旋試合は一体どんなきらびやかな演出が施されるのか?どんなサプライズが待ち受けているのだろうか?期待したファンも多いことでしょう。しかしながら、結果は大きく異なるものとなりました。期待外れ?いや、僕はこう思います。この意外性の無さこそ、彼がプロレスラーとして特別な証ではないかと。

 

意外性の無さこそ特別の証

柴田イズム

成田=柴田、とついつい連想してしまうファンも多いことでしょう。言わずもがな、LA道場では師弟関係にあり、柴田選手の意思を受け継ぐ者として成田選手への期待は大きい。凱旋試合とはいえ、派手な演出やコスチュームは柴田選手が毛嫌いしそうでもあり、今回の成田選手の在り方はまさにそういった意思を受け継いでいるようにも見えます。

 

意外性を排除した特別感

忖度なく言えば、凱旋試合とはスベるまでがセットです。スベるとは、「ああ、やっちゃったな」という感じ。つまり期待を裏切られても仕方ないという親心込みで見るものが凱旋試合なのです。
大抵の選手は派手な身なりで現れ、試合内容は「???」というパターンになるケースは多い。しかし、今回の成田選手はそのような凱旋試合とは無縁でした。通常の六人タッグを通常通りこなしただけです。でも、これこそがある意味で「特別」なのではないでしょうか。

 

原点回帰を超えて

要するに、成田選手は「何の飾り気がなくとも良い選手」にまでなった、ということです。海外修行へ旅立つ時と同じコスチュームのまま凱旋帰国することによってよりあらわになるプロレスの技術。そこに絶対の自信があるからこそ、余計な演出は要らないのです。
間違いなく今の新日本プロレスで彼のスタイルは映えるでしょう。
「これが俺たちが見たかったプロレスだ」
オールドファンの心を鷲掴みにする可能性もある。しかし、単なる原点回帰で終わって欲しくない。彼のプロレススタイルが同世代の若者に響くものであって欲しいと思う。
彼がもし団体の中心になるのならば、早い段階でのベルト奪取が必用になってくるでしょう。しかしながら、今日の凱旋試合を見る限り、彼は派手な演出や最短でのベルト奪取といったアクセサリーなしでも成立する「何か」を兼ね備えた選手に見える。
まるで一人だけ他団体から乗り込んできたかのような成田選手のあの殺気、あの怒り。素晴らしいですね。かなり期待大。

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