今回の『G1 CLIMAX 30』は、いつにもまして感動的な場面が数多く訪れる大会になると思います。
内藤哲也と”かつての憧れ”棚橋弘至
ウィル・オスプレイと”恩人”オカダ・カズチカ
タイチと”鈴木軍のボス”鈴木みのる
SANADAと”元タッグパートナー”EVIL
他にもあげればきりがない。
かつてないほど選手間のストーリーが凝縮されているのは、他団体に頼らず独自路線を貫いた新日本プロレスの手腕によるところも大きい。
そんな中で、注目の試合としてあげたいのが10月14日に神奈川・横浜武道館での公式戦
後藤洋央紀 vs EVIL
です。
ニュージャパンカップでも対戦したばかりなので「新鮮味のないカード」と感じる方も多いでしょう。
でも僕は注目しています。
プロレスは見続けるほど面白い、その真骨頂がここにある。
EVILのはじまりは後藤洋央紀からだった
EVIL
ワタナベだあ!
2015年10月12日 東京・両国国技館。
内藤哲也と棚橋弘至がIWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦を争う中、内藤陣営には不気味な銀色のマスクをつけた人物が…。
その人物なんと海外遠征から凱旋を果たしたワタナベ選手でした。
僕もリアルタイムで見ていた記憶がありますが、まさか彼とは想像できなかったことを覚えています。「プレミアム」な男として凱旋するのかなと思っていたので…。
当時はまだその名前がEVILとは誰もわかりませんでしたから
ワタナベだぁ!
と実況が、そして解説の金沢さんが叫んでも仕方ない。
リング上で内藤選手とともに棚橋選手をボコるワタナベ選手。
それを見かねて柴田選手と後藤選手がリングに現れました。
一瞬で蹴散らされ、試合は棚橋選手の勝利。
ですがまたリングに現れたワタナベ選手に再度つっかかって行ったのは後藤選手でした。
リング上でぶつかり合う両者でしたが、会場が「おぉー!」となった”ある技”で後藤選手をマットに突き刺したワタナベ選手。
あの時のインパクトはすごかった。
どんな選手か分からなかったけど、「うわ、なんかすご」と期待感を抱いた瞬間です。
現在まで使用される必殺技「EVIL」はここから始まりました。
後藤洋央紀とEVIL 新日本プロレスが輝き続ける理由
約二か月前ですが、こんな記事を書きました。
凱旋したEVIL選手のEVILでリングに突き刺さった後藤選手。
パレハであるEVIL選手のIWGP初戴冠の日に、EVILでリングに突き刺さった内藤選手。
どちらとも角度的にえぐく、まさに会心の一撃とも呼べるEVILでした。
語弊を恐れずに言えば、それは後藤選手内藤選手の「受け」にもあると思う。
オカダ選手のIWGP初戴冠時の棚橋選手のレインメーカー受けにも通ずるものです。
新日本プロレスの素晴らしさ、いやプロレスの素晴らしさはこういった部分にあると思います。
いつの日かEVIL選手も誰かを向かえ、誰かの壁となり、乗り越えられるべき存在となる。
一体それは誰なのか?
それはいつ訪れるのか?
プロレスは長く見続けることでそういった場面の目撃者となれるジャンルです。
後藤選手とEVIL選手は何度も対戦を重ねているので、このカードに新鮮味を感じない方もいるでしょう。
しかしながら今までの戦いと大きく異なる点は、EVIL選手はIWGPヘビー級王者を経験したレスラーとして、後藤選手と向き合うということです。
何度挑戦しても後藤選手の手に届かないIWGP、それを先に掴んだEVIL選手。
リング上で対峙した時、後藤選手とEVIL選手は何を思うのか?
非常に興味深いです。
「除霊」再び?
やや感動を促すような形で記事を書いて来ましたが、今回のG1はストーリーのある公式戦が多い。
そのような選手間のストーリーを振り返りながら試合を見ることもプロレスの楽しみ方のひとつです。
後藤洋央紀vsEVIL
ロスインゴからバレットクラブへとユニットを変え、その表情にも余裕がみなぎるEVIL選手に後藤選手は飲み込まれてしまうのか。
或いは、ニュージャパンカップでは成功できなかったEVIL選手の「除霊」を、G1クライマックスで後藤選手は果たすことが出来るのか。
勢い的にはEVIL選手が有利ですが、その余裕が「一敗」になってしまう可能性もある。
プロレス界で誰よりも先に「EVIL」をくらった後藤選手の「EVIL封じ」にも注目したいところです。
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