プロレスにおけるヒールとは、簡単にいうとファンやジャンル特有の「呼び方」に過ぎない。
なぜなら、ヒールレスラーが「俺はヒールだ!」と宣言することは殆どないし、彼らにとって彼らのやり方こそ「正しい」から。
なので、彼らは自分たちの行いを「悪行」とは思っていないのです。
この点について、僕は何の異論もありません。
プロレスに限らず、どんな世界にも価値観の違いはある。
自分とは異なる価値観で生活する人達も当たり前のようにいるし、幾つものそれらと微妙なバランスを保って生存し合っているのです。
しかし、新日本プロレスに気になる歪みのようなものがある。
今回はその件について書いてみたい。
ヒールが愛されないのか、やり方が愛されないのか
SHO
ベストオブザスーパージュニアで反則介入によりデスペラード選手から勝利を収めたSHO選手。
スリーカウントが入った瞬間のあの気まずい雰囲気は何なのか?
僕なりの見解では、会場をあの空気にした=SHO選手の勝ちです。
彼は、いや彼ら(ハウスオブトーチャー、以下HoT)は当然あのような空気になることは予想していたでしょう。
しかし、批判が多い。
別に反則介入をするのは彼らだけではないのに、なぜか彼ら(HoT)に批判が集中してしまう。
ヒールが愛されないのではなく、これはやり方の問題なのか?
プリンス・デヴィットとオカダ・カズチカ
思い起こせば、デヴィット選手がバレットクラブを立ち上げた時は滅茶苦茶だった。
反則介入は当たり前、ルールなんてあったもんじゃない。
岡本記者も散々な目にあってましたね。
しかしながら、そこには外国人レスラーの新日本プロレスに対するフラストレーション=怒りを感じることが出来たから、何となく納得も出来た。
そして対するオカダ選手や棚橋選手の存在も頼もしかったですよね。
目の前で暴れまわるバレットクラブがいても、この二人ならなんとかしてくれるという期待感があったのです。
スラムダンクでいう仙道みたいな感じ。
勿論、連日連夜反則介入に飽きれるプロレスファンの気持ちも凄くわかります。
それと同じくらい、この仙道のようにHoTを
「きっと何とかしてくれる」
と思わせてくれる選手の台頭も必用なのでは?とも思うのです。
その役目はYOH選手なのですが、ちょっと元気がないですよね。
誰が光になるの?ワトでも良いのに
対立軸から見ても、SHO選手とYOH選手は鉄板です。
同期だし、タッグチームだったし。
しかし、そんなこと気にしてたら何も面白くないんです。
内藤選手だって、オカダ選手とも、飯伏選手とも、ジェリコ選手とも好敵手の関係です。
プロレス人生において、「こいつだけが特別」という存在は何人いても良い。
だからSHO選手とYOH選手の間にワト選手が入っても良いのです。
「俺が新日ジュニアを変えたる!俺にまかせとき!SHO?俺がやったるわ!」
と言い切って欲しい。
何せ今ジュニアで一番おいしい存在はSHO選手です。
食ってかかれば当然注目されること間違いなしなのに、勿体ない。
当然、プロレスには「ある流れ」があるのは確かです。
しかし時にその流れから脱線してみるのも、プロレスなのかも知れません。
ヒールが愛されないのか、やり方が愛されないのか
ヒールの悪行が批判される時は、ベビーの活躍が足りない時かも知れない。
逆にベビーの活躍にマンネリを感じる時は、ヒールの活躍が足りない時かも知れない。
この二つは表裏一体であり、微妙なバランスを取りながら生存しています。
今、HoTへの批判(主に反則介入)があることは事実です。
しかし、そのファンの気持ちを声を大にして代弁出来る選手がヒロム選手くらいしかいないのが現状でもある。
YOH選手なのかワト選手なのか誰なのか。
「俺がHoTをぶっ潰す」
と声高に叫ぶ選手が現れれば、HoTの「やり方」も輝き、「真の勧善懲悪」に近づくのかも知れません。
ヒールもベビーも皆超一流の素晴らしいレスラーに間違いない。
今はそのバランスがちょっと傾いているだけ、きっと良くなると信じたい。
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