プロレス時評

新日本プロレスとAEWの話題を中心にしたプロレスブログ

【反発から蜜月へ】内藤哲也と木谷オーナー

【反発から蜜月へ】内藤哲也と木谷オーナー

抜群のプロレスセンスを持つヤングライオン時代、生意気さの片りんが見え始めたケイオス時代、正義感が裏目に出て壮大なブーイングを浴びた本隊時代、そして全てを「運命」と受け入れ制御不能への道を歩み出したロスインゴ期=現在。

内藤選手ほど波乱万丈なプロレス人生を歩んでいるレスラーは少ないのかも知れません。

小さい子供時代から夢中になっていた新日本プロレス。

まさか自分が大ブーイングを浴びる選手になるなんて思いもしなかったはずです。

優等生になろうとする自分を捨て、反体制へと回ること。

内藤選手の「本当の気持ち」はどこにあるか分かりませんが、「棚橋の次は俺」から逆の道を行くことによって新日本プロレスのトップ選手に成り上がりました。

反体制と言えば、こんなこともありましたね。

この会場の雰囲気、この声援、“あなた”の耳にしっかり届いてますか!?(※大歓声) 新日本プロレスワールドをご覧の、木谷(高明)オーナー!(※大歓声) あなたの宣言どおり、2億円規模のプロジェクトでオカダをスターにしてあげて下さい! 俺に敗れたオカダを、あなたのお力で! ぜひスターにしてあげて下さい!(※大歓声) 俺にはそんなプロジェクト、必要ないので。木谷オーナー! お忙しい中、新日本プロレスワールドでの観戦・・・お疲れ様でした!(※大歓声&『内藤』コール)

(内藤哲也 新日本プロレス公式)

ベルト統一問題で揺れる今の新日本プロレスにも「会社の意向」という言葉が飛び交っていますが、この時(2016年)の内藤選手はその会社の意向に自ら切り込んで行きました。

この痛快さも当時の内藤選手の魅力です。

歯に衣着せぬ発言とお客様目線のプロレスで「ダークヒーロー」の地位を確立した2016年の内藤選手は、まさに黄金時代の始まりを迎えたと言っても過言ではありませんでした。

で、今は?

 

反発から蜜月へ

内藤哲也&木谷オーナーのタッグ

www.youtube.com

スニーカーなのになぜか革靴の足音がアテレコされた妙なシーンから始まるこの動画は、スマートフォンゲームアプリ「新日本プロレスSTRONG SPIRITS」のいわば宣伝です。

シリーズ化されているこの動画は、「オーナーにクレームをつける内藤」という構図をとりながらも、二人の間には昔のようにヒリヒリしたものはありません。

5年前は緊迫感系にあった状況も、今や蜜月関係に。

プロレスとは本当に何がどうなるのかわからないものです。

史上初の二冠王になり、名実ともに新日本プロレスのトップ選手となった内藤選手。

ファンからの信頼は勿論のこと、会社からの信頼も厚い選手になりました。

だからこそ、この状況に「否」を唱える選手が現れても面白いのではないでしょうか?

例えば辻選手。

 

辻陽太と内藤哲也

内藤哲也とのシングルマッチ実現に向け、「5.5万いいね」を目指している辻選手。

5.5万いいね=本当にシングルマッチが実現するのかどうかわかりませんが、その情熱は途絶えることはありません。

しかし、例えばこんな発言をしたらどうなるのか?

内藤さん、今はもうかつてのあなたではないのですね?あのギラギラした制御不能の内藤哲也はどこにいったんですか?

※筆者の妄想のセリフです※

もしこんな発言で内藤選手を挑発したらどうなるのか?

内藤選手のファンから大きな反感が来るかも知れませんが、その逆風こそ内藤選手を引き付けるのではないかと思ったりします。

ナイトーさんは……3年前から、偉そうなキャラをやってましたね。みんな、もう飽きちゃったですよね。目を覚ましてください! 外国人ファンも飽きちゃって、日本のファンもすごい、飽きちゃってる。毎日見るからさぁ。控室のみんな、ボーイズ、オマエのキャラクターはかなり好きじゃない。もしかしたら、クビになってほしい可能性もありますね。

(ケニー・オメガ 新日本プロレス公式)

かつてにケニー選手はこれ以上ないくらいの言葉で内藤選手を批判しました。

この言葉を不快に思ったファンもいるかも知れませんが、ハッキリと主義主張を示すこともプロレスラーとして大切なことでしょう。

実際ケニー選手はこうも言っています。

ナイトー、オマエはすごいよ。実際、俺はオマエと試合するのは好きだ。

(ケニー・オメガ 新日本プロレス公式)

内藤選手を認めているからこそ、言いたいことはハッキリ言う。

これこそ真の信頼関係なのかも知れません。

 

肯定か反発か

「5.5万いいね」を目指している辻選手の飽くなき姿勢は素晴らしい。

しかし、あと一つ何かスパイスが欲しい気もします。

内藤選手への憧れ的な側面ではなく、それとは相反する側面です。

人気選手に「否」を唱えることはそれだけリスキーなことです。

しかし「肯定」よりも「否定」の方が大きな注目を集める可能性もある。

辻選手のいう「ヤングライオンという鎖」を断ち切るためには、努力や諦めない心に加え、「反発」や「否定」というエッセンスではないか。

木谷オーナーと蜜月にある内藤選手。

この状況は誰かのチャンスでもあるような気もします。

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