プロレス時評

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ダミアン・プリーストと辻陽太と内藤哲也【一歩踏み出す勇気】

ダミアン・プリーストと辻陽太と内藤哲也【一歩踏み出す勇気】

 

先日行われたWWEのロイヤルランブルにてサプライズ登場を果たしたダミアン・プリースト選手。

端正なルックスに恵まれた体躯を持ち、リング上では縦横無尽に暴れまわりました。

別ブランドNXTからRAWへ。

そしてプッシュ?

巷ではそんな噂が流れていますが、このダミアン・プリースト選手の活躍を見るにつけ、「ある選手」との「あるシーン」が脳裏をよぎりました。

それは新日本プロレスの内藤哲也選手です。

 

一歩踏み出す勇気

内藤哲也と辻陽太

現在新日本プロレスではタイトルマッチや遺恨劇を含め様々な展開が乱立しています。

その新日本プロレスの中で年始に二冠を失った元王者内藤選手は戦いのテーマがありません。

いわばノープランです。

そんなノープランの内藤選手に目をつけた数名のレスラーは、彼にシングルマッチを要求しました。

特にヤングライオンの辻選手は何とかシングルマッチを実現させようと猛アピールを続けています。

しかし、そのアピールの過程でこんな痛烈なダメ出しも。

いや~、ガッカリだよ…ガッカリだよ。俺の今シリーズの楽しみ…いや~ガッカリだわ。なににガッカリかわかる!?

(中略)

それより俺が、今日ガッカリしたのは、辻! 辻! (対戦候補ランキング)“単独首位”に立ってる辻が! (俺の)入場のとき、『ロープ開けろ』って言ったら、素直に開けちゃったよ(苦笑)。オイオイ、オイ!? 俺と対戦したいんだろ!? 試合じゃないよ。対戦相手ではない、今日はたしかに。でも、あんな所で俺の言うことを素直に聞いてる。あんなんじゃ、ちょっと俺はガッカリだよ。かつて、まだヤングライオン時代だったジェイ・ホワイトは、俺の指示に従わなかったよ。『ロープ開けろよ』と言っても、彼は開けなかったよ。そしていま、彼は己のスタイルを確立してるよ。そういうところ、将来的に差が出てしまうんじゃないの!? いや~、あの辻の姿には、俺はガッカリだぜ。

(内藤哲也 新日本プロレス公式)

根っからのプロレス好きの内藤選手らしい細かい駄目出しですよね。

が、しかし。

基本的に先輩レスラーの指示はヤングライオンにとって「絶対」です。

なので先輩の指示を否定することはあってはならないこと。

それでも「対戦要求」という渦中において、先輩と後輩という関係性を超えていかに「一歩踏み出せるか」を、内藤選手は辻選手に期待していたのでしょう。

ではなぜこの記事で、ダミアン・プリースト選手の名前が挙がるのか?。

ダミアン・プリーストではなく、「パニッシャー・マルティネス」と言った方がわかりやすいかも知れません。

 

グータッチをしなかったパニッシャー・マルティネス

2017年2月26日 東京・後楽園ホールでの『HONOR RISING:JAPAN 2017』

米国ROHとの合同興行にて、

ダルトン・キャッスル&棚橋弘至&田口隆祐 VS パニッシャー・マルティネス&内藤哲也&髙橋ヒロム

が第5試合にありました。

その試合で勝利を収めた内藤選手チーム。

お決まりのグータッチで締めようと、内藤選手とヒロム選手が拳をあげたところ、パニッシャー・マルティネス選手はグータッチをしませんでした。

パニッシャー・マルティネス?我々、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのパレハだと思ったか?いや、誰も思わないでしょ。なんせ、俺知らないからね。今日初めて見たよ。まぁ今日、リング上で見て分かったよ。彼の力は、我々、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンには必要ないね。てかさぁ、こういう知らない外国人選手を、俺らのところに入れてくんなよ。扱いに困ったか?だからって、コッチに入れる必要はないだろ。そんなさ、訳分かんない選手と一緒にやれるくらい暇じゃないんだよ。我々は、暇じゃないんだよ。

(内藤哲也 新日本プロレス公式)

気を害したのか、試したのか。

厳しい言葉を吐く内藤選手。

一方パニッシャー・マルティネス選手はというと

知らなかったヤツら、わかったか?俺が、パニッシャー・マルティネスだ。日本、俺のことを甘く見たら、痛い目に合うぞ。これからビッグネームになる。それが俺だ。

(パニッシャー・マルティネス 新日本プロレス公式)

これまた強気な発言です。

人気絶頂の内藤選手に絡めば、その恩恵を受けやすくなることは確かです。

レスラーとしての認知度も上がるでしょう。

しかしパニッシャー・マルティネス選手はあえてそれに絡まなかった。

それも「一歩踏み出す勇気」だったのではないか?

僕自身、2017年当時は「何このROHの選手、ノリ悪過ぎ」と思っていましたが、今思い返してみるとパニッシャー・マルティネス選手の「レスラーとしての譲れないもの」がそこにはあったのかも知れません。※或いはジェイ・リーサルのロスインゴ追放劇が頭の片隅にあったのかもw※

彼は宣言通り、WWEでダミアン・プリーストとして「ビッグネーム」になりつつある。

彼を甘く見ていた自分を恥じるばかりです。

 

プロレスの素晴らしさ

この記事に書いてきたように、プロレスは過去のシーンが急激に鮮明になる瞬間があります。

「あの時こうだった」

「こんな行動をしてた」

その当時に大きなアクションを起こしたからこそ、ファンの潜在意識の彼方からパッと記憶が蘇ってくる。

内藤選手もまた辻選手の行動を見て、かつてのジェイ・ホワイト選手を思い出したのでしょう。

現在、辻選手は現在ツイッター上で「5.5万いいね」を目標として、内藤選手とのシングルマッチを実現させようとしています。

まさに一歩踏み出した辻選手の行動は、数年先もまたふり返られるべき行動になるかも知れません。

やはりプロレスは長く見続けると面白い。

WWEでのダミアン・プリースト/パニッシャー・マルティネス選手の活躍を見て、そんなことを思った次第です。

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