新日本プロレスジュニアヘビー級の期待の星、マスター・ワト。
ヤングライオン時代の優等生な雰囲気を払拭するように、メキシコCMLLからの凱旋帰国後はコスチュームも髪色も変え全く別のレスラーへと生まれ変わりました。
その凱旋帰国前、菅林会長がメキシコを訪れた際、川人(ワト)選手は「第二の内藤哲也になる」とCMLLのインフォルマで語っていました。
「第二の内藤哲也」という言葉が強烈に僕の脳裏に残っていたので、果たしてそのレスリングの内容はどこまで進化しているのだろう?という期待感がすごかった。
寧ろ、第二の内藤ではなく第二のオカダのように、先輩方をバタバタとなぎ倒し、2021年のドームではIWGPジュニアヘビー級王座を腰に巻くとすら思っていました。
しかし、ワト選手に待ち構えていたのは諸先輩方からの厳しい叱責の嵐でした。
真のマスターとは何か?
マスター多すぎ問題
僕の個人的な感想を言えば、ワト選手にアドバイスする「マスター」が多すぎて、結果ワト選手は誰の言うことを聞けば良いのか分からなくなっているのでは?と言う疑問がある。
高橋ヒロム選手がヤングライオンの頃、先輩方の指導に困惑し、一体誰の指導を仰いで良いのか分からず疲弊していた時に彗星の如く現れたのが内藤選手でした。
「俺の言うことだけ聞けば良い」
内藤選手のその一言は、ヒロム選手にとって大きな安堵となったはずです。
一方、今のワト選手は諸先輩方から「公開袋叩き状態」です。
あらゆる「マスター」から日々叱責される日々で、ワト選手も自信を失っているようにも見える。
そんな時に素晴らしい金言をワト選手に与えてくれたのが、棚橋選手でした。
棚橋弘至の金言
新日本プロレスのリーダー
もっと生意気になっていいよ。俺の方が強えぇ!、俺の方がカッコいい!、俺の方がすげぇ!、そっちの方が、応援しがいがあるから。な! もっと生意気に
(棚橋弘至 新日本プロレス公式)
非常に具体的で分かりやすい。
「気持ちが伝わらない」
「何も感じない」
こういった抽象的なお叱りの言葉よりも、スっと入ってくる説得力が棚橋選手の言葉にはある。
特に「応援しがいがある」という言葉には、お客様目線も入っていますよね。
自分がどうなりたいかだけではなく、お客さんにどう見えるのか?
プロレスというジャンルを俯瞰してみている的確なアドバイス。
国内外の様々なレスラーが言う通り、そのリーダーシップでバックステージをまとめ上げる棚橋選手らしい、突き放すのではなく包み込むような言葉でした。
厳しさとは何か?
勿論、ワト選手に厳しい声を投げかける諸先輩方にもそれぞれ理由はあり、そのように突き放すことも指導の一つかも知れません。
憎いから嫌いだからといって厳しい声をかけているのではなく、新日本プロレスの一員として素晴らしい選手になって欲しいから故、厳しい言葉をワト選手に与えるのだと思います。
棚橋選手の言葉と、諸先輩方の言葉。
今ワト選手に求められているのは「様々な言葉を受け入れること」ではなく、「自分に必要のない言葉は無視すること」のような気もします。
棚橋弘至とマスター・ワトがエアギターを協演した理由
ワト選手の状況を見て、「自分もその気持ちわかる」と感じるプロレスファンの方も存在するのではないでしょうか?
「一体誰の言うこと聞けば良いの?どうしろって言うの?」
こういった悩みは人生のどんなシーンでも訪れる可能性があります。
言わばそういった人生の縮図のようなものが、今のワト選手にはある。
そしてまたその教育的指導方法をめぐって、新日本プロレスの諸先輩方のイデオロギー闘争も透けて見えるような気もします。
だからこそワト選手を応援したい。
立ち位置的にはベビーフェイスなので、棚橋選手くらい突き抜けないとなかなかキャラクターの定着は難しいでしょう。
しかしながら、棚橋選手もまたキャラクターが受け入れられるまで多くの時間を費やしました。
もっと生意気になっていいよ。俺の方が強えぇ!、俺の方がカッコいい!、俺の方がすげぇ!
昨日の興行の締めで見せたエアギターの協演は、棚橋選手からワト選手へのメッセージだったのかも知れません。
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