昨日1月19日の後楽園ホール大会、メインイベントの6人タッグマッチは試合から締めのマイクに至るまでロスインゴベルナブレスデハポンの鷹木選手の独壇場でした。
マイクでは皮肉とも叱咤激励ともとれる棚橋選手へエールを送り、そしてコロナ化で観客動員など苦境にある中でプロレスラーとしての在り方も教示しました。
まさに圧巻のフィナーレであり、その言葉に勇気をもらったプロレスファンの方もいるのではないでしょうか。
その余韻もままならぬ会場の実況席で、真壁選手はこう不満を口にしました。
「新日本の本隊が不甲斐ない」
この記事ではこの発言の意味を考えてみます。
もっと深い意味があるのではないか?という疑問があるのです。
新日本プロレス本隊と新日本プロレスの本流を考える
本隊の現状
「新日本の本隊が不甲斐ない」と言われた新日本プロレス本隊の現状はというと、まず最強と最高のベルトIWGPヘビー級王者・IWGPインターコンチネンタル王者の飯伏選手が思い浮かびますよね?
新日本プロレスの最高位を持つレスラーがいるということは、ユニット的な実績から言えば申し分ありません。
SHO選手もジュニアヘビーの選手権があるし、棚橋選手もNEVERの選手権がある。
本隊にいる全ての選手がメインストーリーに絡んでいなくとも、活躍しているレスラーがしっかりいるのが現状です。
それでも本隊に「不甲斐ない」と不満をぶちまけたのは、真壁選手自身のプロレスラーとしての意地、新日本プロレスのレスラーとしての意地だったのではないでしょうか?
※本隊にGBHを含むのかケイオスを含むのかという議論はあると思いますが、GBHは本隊扱いで記事を進めます※
真壁刀義こそNEVER無差別級王座に挑戦したいのでは?
「新日本の本隊が不甲斐ない」
「手負いの人間が多すぎる」
「不甲斐ない」
「これをどう立て直すか早急にしなければいけない」
と、かなりうっ憤が溜まっているような真壁選手。
しかし、前述した通り本隊はそこまで実績がないわけではありません。
気になったのは次の一言、いや二言三言です。
鷹木の言っている気持ちもわかる、ただ、チャンピオンは誰の挑戦でも受けんのがチャンピオンだろ。そんなテメーの型なんて勝手に決めんじゃねぇって。それを棚橋が言えって。棚橋がもっと噛み付いて潰してやれば良いことだよ。もう良い子ちゃんでいくのはもういいんだよ。
(真壁刀義 新日本プロレスワールド)
新日本プロレスのV字回復の立役者で前IWGP連続防衛記録保持者でもあった棚橋選手。
そのベルトへの飽くなき執念は新日本プロレスファンなら誰しも知るところです。
かつて鈴木みのる選手に対して「ベルトに触るな」と言ったり、ベルトを破壊する内藤選手に疑問を呈したりと、人一倍ベルトにこだわりのある選手でもある。
上記の真壁選手の言葉はかつてそういう存在だった棚橋選手への叱咤激励の言葉であることは間違いありませんが、同時に「真壁さんあなたが鷹木選手とやりたいのでは?」とも感じました。
寧ろ、「もう良い子ちゃんでいくのはもういいんだよ」という言葉は、真壁選手自身にも当てはまるのではないでしょうか。
本隊とは何か?本流とは何か?
正義の味方がいて、悪者がいる。
プロレスにはこういった勧善懲悪メソッドがあり、本隊はその正義を担う存在なのかも知れません。
ヒールユニットが縦横無尽に活躍する昨今の新日本プロレスにおいて、キラキラとした正義の存在は欠かせません。
現に、1.5のジェイ選手と飯伏選手の試合は勧善懲悪の極みとも言える素晴らしい試合になりました。
ここでもう一度本隊とは何かを考えたい。
クリーンファイトをすることが本隊なのか?凶器を使わないことが本隊なのか?スマートでいることが本隊なのか?
もしかするとこれは違うのかも知れません。
本隊とは、新日本プロレスの本流であること。
やられたらやり返す、悔しさをあらわにする、その上で激しい戦いをする。
まさにライガー氏がそういったレスラーの典型であり、若い上村選手もその担い手でしょう。
真壁選手にとって、かつての棚橋選手もまたそういう「本流の」レスラーだったのではないか。
「もう良い子ちゃんでいくのはもういいんだよ」
という棚橋選手への言葉には、良い子ちゃん化してしまった新日本プロレスの本隊=本流に対する真壁選手なりの「怒り」だったのではないか。
※その点で言えば、鷹木選手から棚橋選手への言葉にも同じような意味を感じます。「新日本のエースなんだろ、しっかりしてくれよ」と。※
NEVER無差別級王座は鷹木選手なのか棚橋選手なのか誰が獲るのか分かりません。
しかし次の挑戦者には、是非真壁選手が名乗り出て欲しい。
新日本プロレスの本流とは何かを、その怒りを、今こそ見せつけるべきではないでしょうか?
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