オカダ・カズチカの提唱ではじまり、矢野通の防衛で終わったKOPW2020。
選手同士が試合のルールを出し合い、ファン投票でどちらかのルールを選ぶというこの斬新なタイトルは、当初「新日本らしくない」と不安げな表情を見せていたオカダ選手の不安を払拭するほど馴染のあるタイトルになりました。
矢野選手という稀代のエンターテイナーの魅力がタイトルと化学反応を起こしたと言っても過言ではないでしょう。
2020年の新日本プロレスは、KOPWというユニークな側面もあれば、反則介入に傾いたという側面=ストーリー性を優先した側面もありました。
新日本らしくない?いやこれは時勢に柔軟に対応した新日本プロレスの施策だったのではないでしょうか。
時勢に柔軟な対応をした新日本プロレスの妙
戦いとストーリー性とユニークさと
パンデミックによる興行自粛期間を経て再開された新日本プロレス。
無観客試合から始まり、徐々に有観客試合にシフトしていったものの、感染対策のために会場を本来の席数でフルに埋めることは出来ません。
当然ファンは新日本プロレスワールドといったライブ配信に頼らざるを得なくなり、新日本プロレスも画面越しのファンに向けて興行を作らなくてはいけません。
KOPWというユニークなタイトルと、裏切り遺恨愛憎渦巻くストーリー性に内容が傾くのも、この時勢を踏まえた「番組」としての在り方を模索した結果ではないでしょうか。
単に「戦い」だけを見せるとなれば、視聴者が飽きてしまう可能性もある。
矢野通
2020年にもっとも進化したレスラーと言えば、僕は矢野選手を推します。
KOPWとYouTubeという二つの武器をひっさげ、プロレスの面白さをファンに発信し続けました。
かつて金髪で狂気的でどう猛なレスラーだった彼が、経営論を語り、ケーキを作り、家族と戯れ、本も出し、ライブ配信を通して優しく大らかな笑顔でファンと交流する。
こんな彼、誰が予想できたのか。
こういった社会的な時勢の中でもいかにして自らの存在感を発揮できるのか、この機転の良さは彼のプロレスとも通ずるものがありますよね。
感染が拡大が止まらない中、プロレスが元の状態に戻るのにはまだ時間がかかるはずです。
リング上の戦いのみならず、リング外でいかに存在を示すことが出来るのか?
レスラーにはそういった姿勢や工夫がより問われて行くことでしょう。
時代と共に歩む柔軟な新日本プロレス
私情を挟むのならば、過剰にストーリー性に傾いたプロレスは先が見えてしまいやすい分どうなのだろうか、という気持ちもありました。
しかし改めて振り返ってみると、この時勢に柔軟に対応する新日本プロレスがそこにはあったのかも知れません。
KOPWというユニークな側面と、ストーリー性のある側面と、ストロングスタイルの側面。
2020年はこのバランスを探っていたともとれるし、2021年はそれぞれの側面がより輝くプロレスが展開されることに期待したい。
話を戻すと矢野選手。
今現在は矢野選手の独壇場となっているKOPWのタイトルですが、矢野選手に匹敵するほど「吹っ切れた選手」の台頭も望まれます。
果たしてそれがどの選手になるのかも、注目していきたいですね。
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