困難な社会的状況の中、プロレスというジャンルを通して勇気や希望をもらった2020年。
1年分のスケジュールを約半年でこなすという荒技ながら、新日本プロレスは多くの素晴らしい試合をファンに見せてくれました。
誰かがいなければ、誰かが中心となる。
その引き出しの多さも新日本プロレスの強さたる所以なのかも知れません。
この記事ではそんな群雄割拠の新日本プロレスにおいて、ヘビー級にも負けず劣らずの熱い試合を見せてくれたジュニアヘビー級が、なぜ「WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム」のメインイベントにならなかったのかを考えてみたい。
ジュニアがヘビーを上まわる鍵は何?
1月4日5日両日ともメインイベントはヘビー級の選手権試合
2020年の総決算でもあり、2021年のスタートでもある東京ドーム大会は、これまで活躍した選手とこれから活躍するであろう選手の言わば分岐点のような大会です。
日本は当然のこと海外からの注目も集まるこの大会は、レスラーとしても特別な大会であることは間違いない。
言わずもがな、現在新日本プロレスの頂点に立つ内藤選手も、ドームのメインイベントに立つという「少年時代の夢」を達成し、多くのファンの感動を生み出しました。
今年の1月4日5日両日とも、ヘビー級の選手権試合がメインで組まれています。
やはり、この牙城をジュニアヘビー級が崩すのは困難なのでしょうか?
ヘビー級よりも「戦い」を見せた2020年のジュニアヘビー級
2020年の新日本プロレスを大きく総括すると、
- ヘビー級はストーリーに傾倒気味
- ジュニアヘビー級は「戦い」が際立った
と見ることが出来るのではないでしょうか。
細かなデティールを探れば「そうではないだろう」という意見もあるかも知れませんが、個人的な見解ではこうなりました。
ストーリーに偏るのも、戦いを貫くのも、そこに良い悪いはありません。
しかし、ヘビー級戦線でどこか消化不良に終わってしまったファンのモヤモヤを解消してくれたのは、ジュニアヘビー級の熱い戦いであったのではないでしょうか。
高橋ヒロムとエル・デスペラードの武道館でのメインイベントは、多くの人に感動を与えました。
彼らの試合をベストバウトに推す声も多く、その衝撃の余波も凄かった。
オスプレイと鷹木のジュニア卒業、リュウ・リー(ドラゴン・リー)の不在といったこれまで顔として存在したジュニアレスラーがいなかったにも関わらず、その存在感を十分に見せつけた2020年のジュニアヘビー級の総決算として、1月5日のIWGPジュニアヘビー級選手権試合はダブルメインイベントでも良かったのではないだろうか。
なぜIWGPジュニアヘビー級選手権試合はダブルメインイベントにならなかったのか
試合順でレスラーの価値が決まるとは言い切れませんが、エンターテイメントの世界においてメインイベンターが果たす役割は非常に大きい。
戦いの部分も大事ですが、「人気」「集客」ということも必要になってくる。
贔屓目なしに、ヘビー級の方がスター選手が多いのは事実であり、それを勝ち抜いてたどり着いたヘビー級戦士がメインイベントを張ることはなんらおかしいことではありません。
しかしそういった状況にあぐらをかいてしまえば、戦いの部分においてもっとも新日本らしさを体現しているジュニアヘビー級にその座を持っていかれる可能性もある。
あえて言及するのならば、ジュニアヘビー級には高橋ヒロムとエル・デスペラードのような感情と感情がぶつかり合う軸が他にも欲しい。
僕としてはその新たな軸は既に始まりつつあると思っています。
ともに生え抜きのヤングライオンとしての期間を過ごしたSHO選手とYOH選手。
海外遠征前はYOH選手の方が高かったレスラーとしての評価は、遠征から凱旋帰国後は真逆になり、シングルプレイヤーとしての評価はSHO選手に軍配があがりました。
ロッポンギ3Kとして活躍する彼らですが、YOH選手のジェラシーが爆発した瞬間にジュニアに新しい軸が誕生するのではないでしょうか。
そういった軸がいくつか形成されていった時、ジュニアヘビー級は新たな領域へと足を踏み入れるのかも知れません。
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