新日本プロレス11.15愛知県体育館大会を全試合マッチレビュー
ジェフ・コブの乱
グレート-O-カーンの「X」は誰かで盛り上がりを見せていたワールドタッグリーグ。
正体は多分8割くらいの人は予想済みだったであろうジェフ・コブでした。
しかしこのBOSJ&WTLの全10試合を眺めてみると、コブ選手が特に印象に残ったかと言えば、そうでもない。
それだけ新日本プロレスの層の厚さが感じられた大会でした。
それではサクサクとレビューに入って行きましょう。
第1試合『WORLD TAG LEAGUE 2020』公式戦 石井智宏&○矢野通vs×バッドラック・ファレ&チェーズ・オーエンズ
個人的に「あれ?ファレ…痩せた?」の検証ばかりしていたこの試合。
いろんな角度からファレ選手を見つつ「やっぱ痩せたな」とフムフム頷いている隙に矢野選手の体固めで試合が終わってました。
ブログを書くためにワールドで見直したのですが、ファレ選手が痩せたかどうかまた気になってしまい、いつのまにか試合が終わっていました。
ファレ選手、ちょっとシュっとしましたよね?
第2試合『BEST OF THE SUPER Jr. 27』公式戦 ○マスター・ワトvs×上村優也
序盤からスパートをかける上村選手に防戦一方のワト選手。
上村選手の逆エビが決まってしまうんじゃないかと思ったのは僕だけではないでしょう。
天山選手のからワト選手へ必殺技伝授の時、天山選手曰く
いきなり出してもしょうがないから、追い込んで追い込んで『最後にこれで!』
という場面で伝授したTTDを使って欲しかったとのこと。
ワト選手が意外とあっさり使ってたのでちょっと面白かったですね。
しかもヤングライオンに。
このちぐはぐな感じがワト&天山コンビのキュートな部分かも知れません。
第3試合『WORLD TAG LEAGUE 2020』公式戦 棚橋弘至&×トーア・ヘナーレvsグレート-O-カーン&○X(ジェフ・コブ)
新日本に現れたアベンジャーズ的ユニット「THE EMPIRE」
期待されたXの正体はジェフ・コブ選手でした。
大会前のフランイング的な画像など含め大方の予想通りということもあり、この登場はものすごい衝撃だった、というほどでもなかった気が。
ですが、やはり-O-カーン選手とコブ選手が並び立つと恐ろしい。
一体誰がこのタッグチームに勝てるのかという強キャラ感が出まくっています。
残念だったのがヘナーレ選手。
戦前はすごい気合入ってたのに、結果コブ選手の引き立て役になってしまいました。
僕的にはヘナーレ選手ではなく棚橋選手から普通に勝った方がよりインパクトがあった気がします。
ベビーフェイス的なイメージの強かったコブ選手が今後どんなレスリングを見せてくれるのかにも注目です。
第4試合『BEST OF THE SUPER Jr. 27』公式戦 ○ロビー・イーグルスvs×DOUKI
試合巧者の二人が織りなす素晴らしいシングルマッチでした。
ここ最近存在感が増してきたDOUKI選手に対してイーグルス選手は久々のお目見えでしたが、やっぱり巧かった。
二人とも技も多彩で的確、動きも素早い、雑じゃない。
イーグルス選手の勝利で終わりましたが、DOUKI選手の堂々とした戦いっぷりも見事でした。
この二人の試合は今後も注目したいです。
イーグルス選手には「別の意味」でも注目したい。
第5試合『WORLD TAG LEAGUE 2020』公式戦 後藤洋央紀&×YOSHI-HASHIvsタイチ&○ザック・セイバーJr.
相変わらず元気なYOSHI-HASHI選手。
この試合も後藤選手を引っ張っていたように見えるほど活き活きとしていました。
その勢いが裏面にでたのか、不意をつかれザック選手にスリーカウントを献上してしまう結果に。
ここで勝てばタッグ王者への挑戦に爪痕を残せただけに、痛い敗戦となりました。
それにしても流石鈴木軍、隙がないですね。
第6試合『BEST OF THE SUPER Jr. 27』公式戦 ○SHOvs×BUSHI
昨今のキャラクターやストーリー優先の新日本プロレスにあって、実直なレスリングを貫くSHO選手。
彼の活躍を願いつつも、BUSHI選手の意地もみたいなと思ったこの試合。
パワーのSHO選手とテクニックのBUSHI選手のような戦いでしたが、BUSHI選手は如何せんクリーン過ぎたかも知れません。
もっと狡猾なスタイルに吹っ切っても良いのかなと思いました。
ゴングが鳴ってすぐ毒切りとか。
第7試合『WORLD TAG LEAGUE 2020』公式戦 鷹木信悟&×SANADAvs○EVIL&高橋裕二郎
鷹木SANADA組対EVI裕二郎東郷組のこの試合。
二対三という不利な状況がものの見事に結果につながる試合となりました。
レフェリーが見ていなければ何でもOK。
飯伏問題がありつつも即こういった状況が成り立つということは、当然飯伏選手のドームのジェイ選手に対する抗議も無効となった、ということになりますよね。
と考えたりした試合でした。
第8試合は『BEST OF THE SUPER Jr. 27』公式戦 ○田口隆祐vs×エル・デスペラード
新日本プロレス生え抜きのこの二人の対決は安定感がありました。
コミカルな動きに寄せつつも、きっちりしめるところはしめる田口選手。
やはりこういったベテランの活躍が「新日本プロレスのリーグ戦」を引き締める役割もありますよね。
普段は仕掛ける側のデスペラード選手もこの試合は逆の形になり、コメントスペースではコメントを忘れるほど調子を狂わされる形となりました。
油断大敵、ある意味この敗戦がデスペラード選手をより強くしてしまうかも知れませんね。
第9試合『WORLD TAG LEAGUE 2020』公式戦 ○ジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレーvsG.o.D(×タマ・トンガ&タンガ・ロア)
髭を剃り、髪を切り、まさに別人のようになって新日本プロレスに戻ってきたタマ選手。
弟のタンガ選手と組むG.o.Dの放つオーラは、WWEのThe Usos(ウーソズ)にも似たタッグ屋としてのかっこよさがみなぎっています。
日本に来れなかったこの期間、タッグのベルトは棚橋選手と飯伏選手、そしてタイチ選手とザック選手の手にありました。
いよいよタッグ真打ち登場と思いきや、敗戦。
それだけ今のジュースフィンレー組には勢いがある。
この試合は邪道選手がサポートに回っていましたが、それほど介入することなく正々堂々とした試合構成でしたよね。
邪道選手の見せ場の時にジュース選手がお見舞いした「ナックル」が勝敗を分けたのでしょうか?
第10試合『BEST OF THE SUPER Jr. 27』公式戦 ○高橋ヒロムvs×石森太二
ジュニアヘビー級の選手権試合と言ってもいいほどの激闘だったこの試合。
私見ですが、石森選手に元気がなかったような印象も。
或いはそれ以上にヒロム選手の闘志が勝った試合、とも言えるのかも知れません。
さすがにエプロン際の攻防にはヒヤヒヤしましたが、こういった厳しい攻めが初戦で行われてしまうということに、いかにこのリーグ戦が過酷であるかがわかります。
この1カ月間、俺たちが、凄え試合を見せまくって、ドンドン疲れさせて、最終的に昇天させてやるから、楽しみにしておけーッ!
最後のリング上でこう言い放ったヒロム選手。
「俺たちが、凄え試合を見せまくって」という部分に選手一丸となってという団結心を感じます。
まさに新日ジュニアのリーダー的な存在ですが、足元をサラっとすくわれないよう気を引き締めて戦うことも重要になってくるでしょう。
リーグ戦は「個」の戦いでもありますからね。
総評
【ベストバウト】ロビー・イーグルスvsDOUKI
試合巧者の二人が織りなす小気味よい攻防が良かった。
ジュニアらしい戦い、とも言えますね。
【ベストレスラー】ロビー・イーグルス
久々過ぎてどんなレスリングをする選手なのかも思い出せないくらいでした。
やっぱり巧い。
体に厚み出て力強さも増し、自粛期間中に相当の鍛錬をした結果がわかりますよね。
イーグルス選手は先々どの道へ進むのかにも注目が集まるだけに…目が離せません。
【期待するレスラー】ヘナーレ
プロレス的な見方をすると、新日本プロレスはひどいなぁ…と思いました。
日本が恋しく、やっと復帰できたヘナーレ選手。
それが一瞬で…。
この試合、コブ選手の強さを印象づけたいのならば、ヘナーレ選手ではなく棚橋選手から取った方がインパクトが残った気がするんですよね。
噛ませ犬のようになったヘナーレ選手…そのうっ憤をバネに暴れまわって欲しいです。
≪END≫
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