神宮の夜に打ち上げられた花火をバックにポーズを決めた内藤選手を見て、役者の違いを再確認した昨晩の『SUMMER STRUGGLE in JINGU』。
かつての内藤少年への想いも含め、ファンをドンドン感情移入させていくそのカリスマ性は圧巻でした。
しかし、多くの人が内藤選手への歓喜に湧く中、賛否はあれどやはりEVIL選手の存在は大きかったように思います。
暗闇が濃ければ濃いほど、花火は映えるものです。
最高のエンディングは最高のダークネスとともに
パンデミック下での中、ファンのヘイトを一手に引き受けたEVIL
外国人選手が参戦できない危機的状態の中、ファンのヘイトを一手に引き受けたEVIL選手。
ともすれば器用なレスラーで終わってしまいそうだった状況を、バレットクラブ入りすることで見事に変えて見せました。
本来のプロレスの上手さに加え、表情や言動にも余裕が生まれ、ベルトを持つこと以上に大きな何かを手に入れたのではないでしょうか?
「言うことがワンパターンで語彙力がない」
「介入反則が多すぎて説得力がない、顔じゃない」
という批判もあれど、そういったヘイトを集める時点で逆にドンドンのってきたようにも見える。
「言うことがワンパターン」という批判がある中で”あえてそれを繰り返す”のは、ある意味常とう手段です。
簡単にヘイトを集めることが出来ますからね。
EVIL選手はそういうところも上手かった。
新日本プロレスというサーガ
ロスインゴベルナブレスデハポンにおいて、内藤選手の最初のパレハはEVIL選手でした。
苦楽をともにしたEVIL選手が、批判を浴びることも意に介さずユニットを抜け、何が何でも頂点を掴み、王者として目の前に立っている。
この時点で控えめに言って泣けるw
大阪での一戦よりも、神宮での試合の方がなぜだかより感動しました。
ニュージャパンカップでの一定の評価から、ユニット造反や介入・反則の雨あられでEVIL選手への批判の渦が強くなっていたからかも知れません。
そんなEVIL選手の覚悟と、受け止める内藤選手の覚悟。
まさにサーガを見ているようで
「新日本プロレスっていいわ」
としみじみと感じました。
内藤選手の勝利、EVIL選手の敗北という結果になりましたが、二人には素晴らしいものを見せてもらった気がします。
プロレスってこういうことなんじゃないの?とも思いましたね。
暗闇があるから花火が映える、次は飯伏?棚橋?それともSANADA?
最高のヒールがいるほど、ヒーローは最高に輝きます。
新日本プロレスの近年のダークヒーローブームは、ジェイ選手やEVIL選手の存在によって変わりつつあるかも知れません。
中途半端なヒールではなく、完全なヒールを全うすること。
それによってますますヒーローは輝き、プロレスは面白くなっていく。
言わずもがな、ヒーローとヒールは表裏一体です。
今回神宮の花火がきれいに映ったのは、内藤哲也という最高のヒーロー※1とEVILという最高のヒールのコントラストがあったから、ではないでしょうか。
※1…今回のシリーズを通してロスインゴはベビー寄りのユニットにさらに近づいたように見えたので、あえて内藤選手をヒーローとしました。実際、ヒーローですよねw※
勿論毎試合ごとにそのような勧善懲悪を期待するわけではありませんが、次は誰と誰が最高のコントラストを見せてくれるのか楽しみで仕方ありません。
プロレスは見続けるほど面白い、改めてそう感じさせてくれたEVIL内藤戦でした。
誰に何を思われたって構わないよ。俺がしたいことをする。それだけ。
(新日本プロレス公式)
勝利後のバックステージでの内藤選手のこの言葉。
EVIL選手も己の道を突き進んで欲しいですね。
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