紆余曲折を経てノアにカムバックし、チャンピオンロードをひた走る潮崎選手。
堂々と
「俺がノアだ」
と言い切る姿勢は、新日本プロレスの棚橋選手の「愛してます」とも通ずるポジティブな何かを感じます。
パンデミック下の中で沈んだ空気が社会に漂う今、ハッキリとしかも前向きな主義主張を言うことはファンに勇気を与えますよね。
では、現在の新日本プロレスで
「俺が新日本だ」
この言葉を言える選手は誰なのでしょうか?
潮崎豪とアイアムノア
棚橋弘至
結論からいうと、新日本プロレスのそれぞれのレスラーが
「アイアムシンニホン」
という気概を持ってプロレスをしているはず。
ただこう言ってしまうと話が終わってしまうので、あえて自分なりにチョイスするのならば、やはり棚橋選手を置いてはいないでしょう。
昔何かのテレビ番組で、某アイドルグループのリーダーが、あるメンバーがファンに対し「お前ら愛してるぜ!」と言えるのはすごい、的な話をしていました。
アイドルとはファンに夢を与える仕事です。
ともすれば恥ずかしいとみられがちな発言を堂々と言ってのけるのはすごい。
まさに棚橋選手も、そういったエンターテイメントの神髄を体現する一人であり、貴重な存在です。
では、他にそういった選手が新日本プロレスから現れるのか?
オカダ・カズチカ、内藤哲也、飯伏幸太、そして海野翔太
常にプロレスというジャンル自体の底上げを意識するオカダ選手は、あまりそういったガラではない。
棚橋選手の後継者の筆頭だった内藤選手は、反体制の立ち位置から独自路線でファンへの気持ちを表現する選手です。
そして飯伏選手。
神継承の儀を迎え、新日本プロレスの善のスーパーヒーローとして君臨する日がくれば、今もっとも「アイアムシンニホン」に近い存在です。
ただ
「生え抜きじゃねーだろ!」
という外野の声を跳ね返せるかも大事になってきますよね。
最後は海野翔太選手。
ジョン・モクスリーとのタッグも、ヤングライオン杯決勝でのカール・フレドリックスと対峙したことも、そのセットアップを見るだけで既に明るい未来が彼を照らしているように感じます。
何よりもルックスが良い。
いつの日かIWGP戦で海野レフェリーが泣きながらスリーカウントを叩いている姿まで見えてしまいますよね。
でも、それは今すぐではない。
クリス・ジェリコが見せたかったもの
ずば抜けた人気と圧倒的な存在感を放っている内藤選手。
もし彼が棚橋選手の位置にいて、EVIL選手と向き合っていたら?
また違う盛り上がりになっていたのかも知れません。
しかし、内藤選手の魅力はやはりスラムダンクの三井寿のような、スーパースターの才能がありながらも、別の道をたどらざるをえなかった「儚さ」です。
ケガを負いいつか崩れてしまいそうな彼に、皆勇気をもらう。
クリス・ジェリコは内藤選手をベビーフェイス的な立ち位置と表現していました。
勧善懲悪が基本となるプロレスにおいて、内藤選手は日本ではヒール的な立ち位置ですが、プロレス界のジェダイ的な存在のジェリコ選手の目には、内藤選手はその圧倒的人気からあきらかにベビーフェイスに映ったのでしょう。
ゆえに、ジェリコ選手が「棚橋戦がもっとも良かった」といったのは、棚橋選手がプロレス内容も言動も圧倒的なベビーフェイスであり、ジェリコ選手も自らの役割=悪役を全開でまっとうできたからに他なりません。
オカダ選手もケニー選手もEVIL選手も内藤選手も皆ダークヒーローであり、完全な勧善懲悪を表現できたのは棚橋選手しかいなかった。
バッドエンドを「グッドバッドエンド」にするもの
なんでジェリコの話出したの?と思われるかも知れませんが、まとめます。
今、何かと批判を受けがちなEVIL&バレットクラブですが、ヒールとしての魅力を最大限に発揮しています。
やはり
「俺が新日本プロレスを守る」
「アイアムシンニホン」
的な発言を堂々と出来る正義の味方的レスラーが対角線にいれば、今のバッドエンドがより輝く=グッドバッドエンドになるのかも知れませんし、それが「興行」だと思います。
反則をされてもただ伸びてしまっているだけではなく
「お前らのそのやり方は許せない!俺がお前らから新日本プロレスを守るんだ!みんな!俺を信じてくれ!」
という選手がそろそろ現れても良いのでは。
ヒーローショーに感じる?ダサい?
でも、これこそ大衆にストレートに気持ちが伝わる方法論であり、エンターテイメントです。
一体誰が「アイアムシンニホン」を叫ぶのか?
≪END≫
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