内藤vs棚橋は珠玉のプロレスだった
『G1CLIMAX30』の濃密な二日間が終わりました。
ABブロックともメインイベント級の試合のオンパレード。
やはり今回のG1は戦力が均衡しているので、誰が勝つか分からない面白さがある。
開幕戦のオスプレイvs裕二郎から二日目のメイン内藤vs棚橋まで見ごたえのある試合が続きました。
試合数がコンパクトなので、間延びせず興行を楽しめることも良いですよね。
当記事ではABブロック初戦を振り返り、三つの試合(或いは物事)を取り上げたいと思います。
・棚橋弘至vs内藤哲也
・鷹木信悟vsジェイ・ホワイト
・介入問題
ではまず珠玉の一戦となった棚橋弘至vs内藤哲也から。
【プロレスの良さが凝縮された一戦】棚橋弘至vs内藤哲也
お互いにどんな選手で、どんな思いがあって、どんな関係性で、体のどこが悪くて…
新日本プロレスファンはこの二人のアレやコレやを熟知している方も多いでしょう。
僕の個人的な感想ですが、この二人の試合の好きなところは、変わったことをしないことです。
多少なりとも変化はあれど、ウィークポイントをじっくり攻め合い盛り上がっていくプロレスは毎度のことながら見入ってしまう。
特に棚橋選手が内藤選手にしかける非情なまでのテキサスクローバーホールドは、派手さはなくとも「痛み」の伝わる素晴らしい技です。
優れた小説や映画は、時を経て読むたびに違う印象を受けるもの。
この二人の試合はまさにそういった類のものかも知れません。
また俺を焦らせる存在になってくれよ
「また」というあたり、内藤選手の棚橋選手への敬意が読み取れます。
一方コンディションが不安視される棚橋選手ですが、あのドラゴンスクリューのキレは相変わらずすごい。
まだまだ一回戦、巻き返しに期待したいですね。
鷹木信悟vsジェイ・ホワイト、そして介入問題
鷹木信悟vsジェイ・ホワイト
違います。
鷹木信悟vsジェイ・ホワイト(with外道)
結論からいうと、とてもいい試合でした。
鷹木選手の直線的な動きと、ジェイ選手の軟体動物のような動きが見事にかみ合っていましたね。
両者とも技が的確で、次々と攻防が切り替わっていく。
特によかったのは、鷹木選手への外道選手へのけん制です。
「お前が何すんのかわかってる」
と言わんばかりに常に外道選手の存在に目を配っていたし、時に攻撃を浴びせていました。
それがあったからこそ、介入があれど「好試合」になったことは間違いない。
もし鷹木選手が外道選手に目配りもせずに淡々と試合をこなし介入で負けてしまったら、「新日本にそういうのいらねぇ!」とファンは荒れたかも知れません。
と、こういった流れで、最後に介入問題について考えてみましょう。
介入問題とは何か?
プロレスにはいろんな摩訶不思議なことが起こります。
「プロレスだから」
と言ってしまえば、全てが片付くようで、何か物悲しい。
介入の件に関しても、ヒールレスラーがヒールファイト、ダーディーファイト、反則を繰り返すのは仕方ない。
でも、その「やり方」ではなく「在り方」にファンはヤキモキしているのかも知れません。
僕は、新日本プロレスがよりエンターテイメント路線に舵をきっても、面白ければ良いと思います。
しかし、ことあるごとに議論される「レフェリー」や「介入」に関してこそ、新日本プロレスはより繊細に取り扱うべき、だとも思います。
これは選手個々人の問題ではなく、もっと大きな問題ではないでしょうか。
前田日明の金言
『永島オヤジの格闘チャンネル』というYouTubeチャンネルに出演した前田日明さんは、現在の新日本プロレスを名指しし、
日本のルチャ・リブレ
や
自分の姿が自分で分からなくなる
と言っていました。
プロレスの「強さ」の部分を見失ってしまうと、本来の団体自身を見失ってしまう、という意味でしょう。
前田さんは新日本プロレスを想っているからこそ、自分なりの視点で今の新日本プロレスを見ているのだと思います。
苦言などではなく、リーディングカンパニーだからこそ意識して欲しいのではないでしょうか。
ここからは僕の持論ですが、今の介入劇にも、どこか選手の「強さ」を担保出来るなにかがあれば良いのかなぁと。
そうすれば、「介入ありきで勝った」ではなく「介入があってもやはりあいつは強いから勝った」とファンの見方は変わるのかも知れません。
繰り返しになりますが、現在の介入劇に対する多くの批判は選手個々人の問題ではなく、もっと大きな問題だと思います。
≪END≫
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