
結論から書く。グローバルのタイトルマッチについて「順番待ちしていられねぇ!」という海野の言葉があった。その意気込みは素晴らしい。しかし、海野とモロニー以外グローバルに挑戦したいという選手はいただろうか。タイチはもう挑戦しないの?他、誰かいる?そもそも順番待ちしなくても挑戦できるのでは?
順番待ちとか言わなくても挑戦できる現状
挑戦するための順番待ちの列なんてありますか?
順番待ちというのなら、多くの選手が「俺も俺も」状態が望ましい。その中で「でも俺がやるんだ」となるのなら「順番待ちなんてしていられない」という言葉は納得できる。しかし、モロニーと海野だけでは、果たして順番待ちという言葉は適切なのだろうか。「二人だけじゃん、他に誰が列にいるの?」というのが僕の正直な感想だ。単純に競い合っている雰囲気がしないので、そこに「熱」が生まれない。IWGPヘビーについても同じことが言える。
辻もカラムも悪くない、挑戦表明する選手がいないのが悪い
本来ならば、新日本プロレスのヘビー級の選手全員が目指すべきベルト、それがIWGPヘビー級のベルトである。クリス・ジェリコ大先生も内藤戦の時に「レイアウト」という言葉を使いベルトを表現していた。プロレスというものの構造にベルトは欠かせない。皆が狙うから価値が上がる。皆が狙う中で頂点に立つから「すごい」のだ。
今、それがない。
各ベルト、各遺恨ごとストーリーがセパレートされ過ぎている。タッグチャンピオンが「シングルもいっちゃうぜ?」と言っても良い。ベテラン選手が「俺がIWGP行くか」と言っても良い。でも、皆にそれがない。一部の選手でしか争えないベルトになってしまっている。「新日本プロレスの至宝に誰しも挑戦出来たら価値が下がるだろ?」という意見はわかる。だからせめて「挑戦したいという気持ちだけは見せてほしい」のだ。なんだか熱も活気もない。ヒートストームどこいった?
プロレス離れなのか、或いは新日本プロレス離れなのか
ヘビー級のタイトルマッチばかり気にしてしまうと、ついついぼやきが出てしまう。辻のファン海野のファン、そしてカラムのファンには申し訳ない。しかし彼らが悪いのではなく、もっとっとも大きな問題だと思う。昨今の反則介入にしても、反則介入ムーブが始まりそうになると「スー」っと客席が冷えていく。「やめて!」「きっと〇〇がなんとかしてくれるはず!」という期待感がなく、「スー」っと冷えていく。ヒールレスラーも困ってしまうわけだ。仮にこの冷え切った状況を変えてくれるのがTAKESHITAだとしたら―いやきっと彼になるのだろうけど―既存の選手たちはそれで良いのだろうか。なんだか役割分担が見えすぎているのではないか。
株式市場を見ればS&P500も日経平均も絶好調。しかし、実社会では物価高が止まらず、紛争の影響で仕事にダメージが出てきている方もいるだろう。何が言いたいのかというと、多くの人は余計なものにお金を使う余裕も精神力もないのだ。ただでさえプロレスはハイコンテクストな(簡単にいうと場の雰囲気や暗黙の了解を知った上で見る)ジャンルなのに、毎回「なんだかなぁ」という積み重ねでは、金を払おうとは思わない。「プロレスで元気に!」どころか「プロレスでげんなり」状態だ。これではシンプルなストーリーのノアの方が良い、スターダムは展開が早くて良い、となってしまうだろう。
再三言うが、今、新日本プロレスには熱がない。一部の選手にはあっても、それが連鎖しない。ゆえに、タイトルマッチの順番待ちの列なんてそもそも存在しないのだ。
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