プロレス時評

新日本プロレスとAEWの話題を中心にしたプロレスブログ

【ゲイブという救世主と環状線理論】空洞化する新日本プロレスに思うこと

先日「株式会社CyberFight 新体制発表会見」をYouTubeにて視聴しました。ここでは会見の内容には触れません。ただただ明るく期待に満ち溢れた雰囲気がそこにあった。こんな書き出しから、もう僕が何を言いたいのか察することができるでしょう。そう、最近の新日本プロレスにはない明るさが、サイバーファイトのあの会見にはあった。そしてまた、先日のオールトゥギャザーで主役だったのは、業界の盟主新日本プロレスの海野選手ではなく、ノアの清宮選手だった。僕の単なる感覚ではありますが、業界の何かが変わりつつある気がする。もしかすると、その日は遠くないのかも知れない。いや、既に始まっているのかも。

 

空洞化する新日本プロレス

中心無き新日本プロレス

最近、新日本プロレスへの風当たりが強い。SNSなどを見ても、厳しい声が多い。ファンの目が肥えたという見方もあり、決して悪いことではないと思うけれど、それでも何か暗い雰囲気が漂っているように見える。サイバーファイトも、そして清宮選手も輝いて見えるのは、そこにぶれない芯のようなものがあるからだ。もしかすると今まで新日本プロレスの「芯」として君臨していたオカダ選手がいなくなったことも、少なからず今の新日本プロレスを取り巻く雰囲気に影響しているのかも知れません。内藤選手は早々と王者から陥落し、棚橋選手は社長業と兼務、オカダ選手はAEWへ行き、IWGPはそのAEWのモクスリー選手の手の中。

いわば今の新日本プロレスは空洞化しているのです。

 

突き抜けられない令和闘魂三銃士+1

私事になりますが、先日書いたブログが木谷オーナーにリツイート(リポスト)されてました。

僕は数年前まで毎日ブログを更新するほどのブロガーだったのですが、ここ数年は休んでました。最近ツイッターではなくXも新設して、記事も書き始めたばかりでフォロワーも全然いない怪しげなアカウントの怪しげなブログなのに、なぜかオーナーからリポストされてました。僕が思うに、僕のブログ記事が良い云々ではなく、単純にファンの声が気になっているのかも知れません。しかしうがった見方をすれば、この記事の三銃士+1への見解に関して、木谷オーナーも思うところがあるのではないでしょうか?

海野、成田、辻、そして上村。この四人が団子のような状態で居続けるのならば、僕は新日本プロレスが停滞から抜け出すことはないと思う。或いは、もしかすると新日本プロレスはこの四人にそこまで期待していないのかも知れない。ノアの清宮選手や、全日本の安齋選手のようなタイプの選手が新日本プロレスに現れたら、この四人は一気に抜かれてしまう可能性すらある。僕はベルトの有無で選手の価値を決めたりはしませんが、じっくり若手を育てるような時間は今の新日本プロレスにないと思う。本来壁になるはずのオカダ選手がAEWへ行き、内藤選手は満身創痍の状態で、しかも王座からは陥落してしまった。壁無き壁を超えることは難しく、そしてまたこの四人だけで熱狂を作れるかというと、プロレスの技術以上にそれは難しい問題なのかも知れません。モクスリー選手は確かに素晴らしい選手、でも、彼は他団体の選手であり、そこにおんぶに抱っこは違うのではないか。では、今の新日本プロレスに必要なものは何なのか?

 

ゲイブという救世主と環状線理論

新日本プロレスの創始者、アントニオ猪木氏の言葉に環状線理論というものがあります。

「環状線の内側がプロレスファンだとすれば、いかに環状線の外側にいるファンじゃない人へ情報を発信するかということ」

「俺は、業界全体の人気を上げるためにも環状線の外を常に意識していた」

簡単にいうと、業界内部ではなく、その外側を意識すること。

僕はこう思ったりもします。ただメディアに出ればいいのではない。いかにプロレスというものを貫いて外側に訴えることが出来るかが大事なことなんだ、と。

現在、正面切ってこの環状線理論に取り組んでいるのが、ゲイブ選手です。海外のメディアに出演し、他団体を罵倒するゲイブ選手。そんなくだらない団体ではなく新日本を見ろ!と堂々と言い切る彼の頼もしさ。僕はこんな選手を待っていたような気がする。ゲイブ選手は環状線理論は知らないかも知れないけれど、猪木氏の名前を出すあたりかなり新日本プロレスの闘魂に酔いしれたレスラーであることは間違いない。日本人選手からではなく、外国人選手からこの言葉が出る矛盾。海野、成田、辻、上村、彼ら四人を否定するつもりはないですが、なんだか今のこの現状に馴染んでしまっているように見えてしまう。ギラギラ感がないんです。はみ出さないというか。会社的なコンプライアンスもあり、現実的に彼らに自由はないのかも知れませんが、そこを突き抜けるような何かが欲しい。

やはり、この空洞化した新日本プロレスの中心を埋めるピースは、令和闘魂三銃士+1ではなく、ゲイブ選手なのかも知れません。

ストロングのベルトを掴みとり、高々と掲げるゲイブ選手。もしそれがIWGP世界ヘビーだったのならば、という妄想もしてしまいますが、彼ならばIWGP世界ヘビーの戦いをストロングのベルトで見せてくれることでしょう。是非とも日本のメディアでもゲイブ選手を見てみたい。ただ、生放送は危険かも。

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