石井智宏とのタイトルマッチに敗北し、保持していたNEVER無差別級王座を失ったジェイ・ホワイト。
存在感のある彼も、流石に半年ほど日本を離れているので、そろそろ「ジェイロス」に見舞われているファンも多いことでしょう。
本来ならば、ベルトを交通手形にして様々な団体の選手と戦うプランだったジェイ選手。
しかし、ベルトを失ったことで彼の真骨頂はより輝いて来たように見える。
なぜ敗北をしても輝くのか?そんなジェイ選手の魅力に迫ってみたい。
ジェイ・ホワイトは「ザ・プロレスラー」
ベルトはないが、俺はいる
結論から言うのならば
ベルトはないが、俺はいる
彼の言い放ったこの言葉が全てです。
口が上手いとか、語彙があるとか、そういうことではない。
単純にベルトの有無に限らず仕事にどん欲なのです。
このブログで何度も書いて来ましたが、そのシリーズでタイトルマッチ的な「見せ場」が計画されていると妙に積極的になるレスラーは多い。
逆の意味を辿ると、そういった「見せ場」がないと透明人間になってしまうレスラーが多いのです。
ベルトを失ったにもかかわらず、
- 俺はベルトを超えてる
- クリス・セイビン、クリス・ジェリコ、クリストファー・ダニエルズを若手呼ばわり
- 上記三人に対し「俺と試合をしたら有名になれる」と上から目線
ここまで言えるプロレス脳。
ベルトがあろうとなかろうと、ジェイ・ホワイトが注目される理由はこういったプロモーションの巧さにもあるでしょう。
しかし、こんな天邪鬼な考えも持つプロレスファンもいるかも知れません。
「ジェイはそれなりの格があるし、全部ストーリーの一環でしょ?」
と。
果たしてそうなのでしょうか?
秋山準
数年前、とあるリング上で全日本プロレスの若手と新日本プロレスの若手が邂逅する場面があった。
試合ではなく、セコンドについていた両者がにらみ合うような場面です。
しかし、にらみ合い以上のことは起きなかった。
試合後、バックステージで当時全日本プロレスだった秋山準選手はこのことに激怒しました。
簡単に言うと、「俺らに気使わず行けよ(新日本に突っかかれよ)」ということです。
全日本プロレスの若手選手は自分たちの場面ではないと思い、新日本プロレスの若手に突っかかって行くようなことはなかった。
しかし、秋山選手的には「空気を読み過ぎるな」「チャンスを潰すな」ということなのでしょう。
そこで遺恨が生まれれば、全日本プロレスと新日本プロレスのネクストにつながる可能性もある、しかしそのチャンスを潰してしまった、だから激怒したのです。
プロレスは現実と非現実が融合した稀有なジャンルです。
しかし、順番を待っていては何も始まらないこともある。
逸脱した行動、逸脱した発言も時に重要で、そこからストーリーが生まれることもあるのです。
ジェイ選手は一貫してそのような姿勢を貫いてきました。
チャンスが回ってくるのも当然ですよね。
自分の長所に溺れない「強さ」
海外メディアの記事で、ジェイ・ホワイトはこんなことを言っていました。
星(評価)を気にしてプロレスをすることは馬鹿らしい
彼の姿勢から言うと、この言葉は納得するしかない。
端正なルックスと鍛えられた体、抜群のプロレススキル。
完璧なレスラーであるジェイ選手は、そういった自分の長所に溺れることなく、ヒールとして憎たらしいまでのダーティーファイトを繰り広げています。
完璧な王子様になれるのに、完璧な外道を突き進む。
王子様なら海外メディアの星=評価を稼げるのに、それにとらわれないプロレスを追求するその精神。
まさにザ・レスラー、いやザ・プロレスラーです。
まだ20代ながらプロレスというジャンルの本質を知るジェイ・ホワイト。
先々10年は仕事に困らない日々が続くでしょう。
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