飯伏選手がリング中央で立ち上がれなくなり、即座にレフェリーストップがかかった時に垣間見えたオカダ選手の厳しい表情。
「G1クライマックス決勝戦でお客様に素晴らしい試合を届けたかった」
そういった気持ちがオカダ選手の内側から溢れた瞬間のような気がします。
飯伏選手は自らの技の着地時に負傷してしまいました。
自分の技だから失敗しないということはあり得ない。
しかし、それがG1決勝の舞台になるとは…。
ある意味前代未聞の結末となったG1クライマックス31。
やはりファンが想像する以上に、飯伏選手にはプレッシャーがあったのかも知れません。
飯伏幸太は不死鳥のごとく蘇る
アクロバティックな技の代償
飯伏選手にしても、内藤選手にしてもその技がアクロバティックなほどに怪我の確率は増えてくる。
しかし、勝つこと、そして「見せる」ことも重要なプロレスにとって、コロコロスタイルを変えることは出来ません。
なぜならファンはレスラーの定番的なムーブも楽しみにしているからです。
飯伏選手は大技は滅多に出さない。
だからこそたまに出すから反響も多い。
でも、たまに出すからこそ成功の難易度も上がる。
飯伏選手の今回の件は「事故」であり、仕方のないことです。
しかし、どこか本調子ではない飯伏選手がいたような気もします。
重責と自由
チャンピオンに限らず、どんなレスラーにも重責は伴います。
ここ数年の新日本プロレスで最も重責を担ってきたのが飯伏選手かも知れません。
G1クライマックス4年連続決勝進出。
そのうち2つを制覇。
当然制覇=ドームへと繋がるわけで、新日本プロレスの中心的存在だったことは間違いない。
よく飯伏選手には「破天荒」とか「自由」とかそういった言葉が付加価値としてついてきますが、新日本プロレスでの数年はそういう自由からかけ離れたプロレスをしてきました。
特に2021年初めのベルト統一問題に関しては、1人矢面に立ち壮絶な批判を受ける結果になってしまった。
年齢も40歳間近。
心身共に厳しい状態の中、「飯伏幸太」でいることの辛さはファンには想像できないものなのかも知れません。
飯伏幸太は不死鳥のごとく蘇る
盟友ケニー・オメガはAEWの副社長として、そしてプレーヤーとしてプロレス人生を謳歌しています。
クリス・ジェリコ、ミロ、クリスチャン、CMパンク、ダニエルソン、モクスリー。
並みいる元WWEスーパースターを押しのけ、ケニー選手はAEWの頂点に君臨しています。
そんなケニー選手ですら畏敬の念をもっているのが飯伏選手です。
何でもかんでもケニー選手につなげるのは良くない。
しかしながら現在鈴木みのる選手がアメリカで伸び伸びプロレスを楽しんでいるように、飯伏選手にもそういった時間が必用なのかも知れません。
飯伏幸太は不死鳥のごとく蘇る
だが、蘇るためにはプロレスを楽しむ時間も必用ではないか?
逃げない、負けない、諦めない、そして神になった飯伏幸太。
自らの言葉で自らを縛ってしまっているような感じがする彼を「良い意味でぶっ壊せる」のは、海の向こうの「彼」なのかも知れません。
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