5月3日、4日と続く『レスリングどんたく 2021』二連戦。
初日のメインは王者棚橋弘至と挑戦者ジェイ・ホワイトのNEVER無差別級王座の選手権でした。
30分を超える白熱した試合の中、最後にブレードランナーで王者を仕留めたジェイ選手。
20代後半ながらIWGPヘビー級王座、IWGPインターコンチネンタル王座、IWGPUSヘビー級王座、そしてNEVER無差別級王座の四冠(通算)を達成したことになりました。
しかしながら、その試合内容をめぐって新日本プロレスの重鎮であるライガー氏からの苦言が。
僕らの時代だったらああいう勝ち方をしたら大ブーイングですよ。
(獣神サンダー・ライガー)
今回はこういった苦言をどう考えればいいのか、いちプロレスファンとして考えてみたい。
獣神の怒りと新日本プロレスについて考える
試合始まる⇒介入される⇒ヒールが勝つ⇒ライガー氏の苦言。
この一連の流れを「興行のコンテンツの一つ」と思っている僕にとって、ライガー氏の苦言を聞いても変な風に感情が揺さぶられることはありません。
しかし、これでは議論が終わってしまうので、異なった視点で考えてみたい。
ジェイへの拍手は仕方ない
ジェイ選手に対し拍手を送るファンに懐疑的になるライガー氏。
でも、ファンの拍手は仕方ないと思います。
なぜなら、
- 感染対策で声を出せない
- 反則介入にファンは慣れてしまっている
という現状があるからです。
反則介入が日常的に行われれば、それに慣れるのは当たり前。
ジェイ選手がベルトを戴冠したのならば、「良かったね」と拍手をする人が現れてきてもおかしくない。
彼にもファンがいるわけですから。
尚更、年始のドームで飯伏選手に敗戦後、自身の新日本プロレスに対する献身性を訴えながら「俺は終わりだ」と涙ながらに新日本離脱を匂わせつつ、電撃的に復帰したジェイ選手にその存在の大きさを痛感したファンも多いはずです。
「新日本で頑張って欲しい、新日本にいて欲しい」
ジェイ選手に熱い想いがあるファンがいるからこそ、拍手があってもおかしくはないのです。
新日本プロレスで勧善懲悪は実現出来るのか?
反則介入があって勝った。だから喜んではいけない。
確かに、勧善懲悪の理屈から言えばそうなる。
しかし新日本プロレスでなかなかそれは難しい。
なぜなら、ヒールがダークヒーロー化してしまうのです。
WWEのように選手のキャラクターをコントロールするわけでもなく、ヒールでも「良い人」がどこかに漏れてしまうから、ヒールでも憎めなくなってしまう。
悪そうな人が良い事をするとギャップ萌えのような感情が生まれますよね?まさにそんな感じです。
俗にいう「映画版のジャイアンは良い奴」的な。
ライガー氏の言う通り反則介入で勝ったヒールに拍手を送らないようにするためには、ヒールレスラーに感情移入させないキャラクターコントロールをより厳しくするしかないでしょう。
その点でいうと、ジェリコ選手の最初から最後まで徹底した喧嘩を売るスタイルは、やはりプロフェッショナルなのかも知れません。
風景化してしまった反則介入
ライガー氏の苦言もわかる。
でも、反則介入慣れしたファンにとって、もはや反則介入は日常の風景の一部になってしまいました。
これは選手が悪いのではなく、ファンが悪いのではなく、新日本プロレスのここ最近積み重ねてきたことの結果です。
昨今の新日本プロレスに個人的な意見を言うのならば、「ヒール=反則介入」にこだわりすぎのような気がします。
反則介入でファンにストレスを貯めさせた方がビジネス的に有効な手段なのかも知れませんが、「反則介入は日常の風景の一部」と感じてしまっているファンも多いのではないでしょうか?
≪END≫
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