2021年1月4日5日両日に開催される「バルサン Presents WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム」
この大会にはいくつものストーリーが交錯していますが、その一つに「2冠戦」があります。
両日ともに2冠をめぐる戦いがそこにはあり、新日本プロレスのこれまでとこれからを占う大事な戦いになる。
しかし、個々の選手同士に視点を近づけると、より興味深い側面も出てきます。
1月4日のメインイベントで戦う飯伏幸太と内藤哲也。
この二人のプロレスはハイスパートレスリングの分岐点になるかも知れない、ということです。
同い年の二人の見せるプロレス、楽しいプロレスの意味
ハイスパートレスリング
ハイスパートレスリングとは、元々の意味をたどれば
「一瞬で終わらせる」
といった類のレスリングです。
しかしながら、時を経てそれは危険技とスピーディな展開を掛け合わせ、たたみかけるような攻防をするプロレスへと意味が変わってきたように思えます。
ハイスパートレスリングの最高傑作ともいうべき2017年のG1クライマックス決勝戦、ケニー・オメガvs内藤哲也。
コーナートップからのフランケンシュタイナー、テーブルへのパイルドライバー、「首筋」ではなく顔面への膝攻撃…あげればきりがないほどの止まらない危険技の応酬。
しかしこの試合が評価される理由は、ケニー・オメガと内藤哲也という超人的な運動能力を持った受け身の天才の試合だったからではないでしょうか。
まさにこの二人にしか出来ない「作品」とも言える試合です。
そして、その二人に匹敵するような能力を持つのが、飯伏幸太です。
少年時代
内藤哲也と飯伏幸太。
同い年のこの二人のインタビュー記事などを見ると、少年の頃に如何にプロレスに魅了されていたのかが分かる。
そしてまた、飯伏選手も内藤選手もアクロバティックな華のある動き=ワクワクするプロレスが、大人になっても色濃く残っているのでしょう。
既にいろんな方が書いているかも知れませんが、言葉を悪く言えば、少年時代のプロレスごっこのような、ワクワクする(或いはアクロバティックで危険な)プロレスをこの二人は大人になっても楽しみたいんだと思う。
二人のこれまでの試合でも、周囲の「危険だ!」という評価に対し当人たちがケロっとしているのも、周囲と感覚が違うからに他なりません。
となると、東京ドームのメインイベントという最高の舞台で、この二人によるリミッターが解除された究極のハイスパートレスリングが展開されるのでしょうか?
ハイスパートレスリングの分岐点
飯伏選手や内藤選手が少年時代にワクワクしたように、今の子供たちがワクワクするプロレスもハイスパートレスリングかも知れません。
複雑な感情のもつれや渋い絞め技よりも、子供にとっては分かりやすい技がウケやすい。
ゆえに、1月4日の試合が素晴らしい「作品」になれば、第二第三の内藤飯伏が現れる可能性もある。
僕個人的には、危険性があれどハイスパートレスリングが悪いとは思っていません。
内藤選手も言う通り、危険技だけが危険ではなく、ボディスラムも一歩間違えば大けがにつながる技であり、「安全なプロレス」など存在しません。※勿論意図的にケガを誘発させる技には反対です※
願わくば、この稀代の天才二人に「ハイスパートレスリングのその先」を見せて欲しい。
アクロバティックな攻防で潰し合う中にも、感情の見える試合。
飯伏選手と内藤選手ならば、自分たちファンが想像している以上のものをきっと見せてくれるでしょう。
そしてまたこの二人のハイスパートレスリングにオカダ・カズチカvsウィル・オスプレイがどんな戦いを見せて来るのかにも注目したいですね。
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