二冠戦に足りないものとは何か?
内藤哲也と飯伏幸太
新日本プロレスの2021年東京ドーム大会は、前年同様二日連続で開催されます。
その初日、1月4日のメインイベントは「内藤哲也vs飯伏幸太」の二冠をかけた戦いになりました。
2020年、内藤選手は二冠王者としてほぼ一年を過ごし、プロレス大賞MVP&ベストバウトという二冠も達成しました。
一方飯伏選手は、年早々に棚橋選手とゴールデン☆エースでタッグ王者になり、王者陥落後はG1連覇を達成するという偉業を成し遂げました。
人気、実力とも飛びぬけているこの二人の二冠戦、さぞ盛り上がるだろうと思いきや、そこまでの盛り上がりにはなっていないように感じます。
人気選手の二人なのに、なぜ?
この記事では、その「なぜ」を考えてみたい。
内藤選手が悪いとか、飯伏選手が悪いとか、そういった記事ではありません。
構造の問題です。
成熟したファンの後手に回ったストーリー
いうまでもなく、プロレスとはどういったジャンルのなのかを理解した上でファンはプロレスを見ていると思います。
プロレス歴が長いファンや大人だけがそれを理解し、ライトファンや子供がそれを理解していないとは言えません。
今回の二冠戦は、ファンの裏の裏をかきすぎてしまったな、というのが僕の印象です。
裏の裏をかきすぎて、変にねじれてしまった。
- 反則で権利証が奪われる
- 権利証を奪われたレスラーを王者が挑戦者に指名する
- 権利証保持者はその二人の勝者を待ち構える
もっと「普通の感じ」で良かったのでは?
新日本プロレスは
「え!こんな展開があるなんて!」
とファンがビックリするとでも思ったのでしょうか。
ファンの裏の裏をかいたつもりでも、ファンはそれ以上に成熟しているのではないか?
今回の二冠戦へのストーリーは、成熟したプロレスファンの後手に回ってしまったような気がしてなりません。
内藤選手、飯伏選手、ジェイ選手、皆素晴らしいレスラーだけに、惜しい、という印象です。
どストレートでも感動できる
ヒロム選手とデスペラード選手の試合が多くの感動を呼んだのは、まじりっけのないストレートなぶつかり合いがそこにあったから。
同期で、光と影で、好き嫌いがあって…この分かりやすいストーリーがどストレートにファンの心に響きました。そこには妙な謎かけはありません。
YOSHI-HASHI選手がベルトを追い求める、DOUKI選手が苦難の時を経て新日本で輝く。
或いは、タッグパートナーだったEVIL選手にSANADA選手が怒りの感情をあらわにする。
こういったシンプルに胸を打つものが、二冠戦には見えにくい気がします。
繰り返しになりますが、内藤選手、飯伏選手、ジェイ選手、皆素晴らしいレスラーだけに、惜しい。
成熟したファンにとって、裏の裏をかくストーリーは既に通じなくなっているのかも知れません。
ならば、もっと早い段階からこの三人の関係性を深く追求した煽りVがあっても良かったのではとも思いますが、それもない。
あとは試合で魅せるしか方法はありません。
このフワフワとした雰囲気にピンと張りつめた空気が生まれるには、本日12月20日から23日の最終戦までの間が鍵になってくるでしょう。
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