ベルトの価値、選手の価値、マッチメイクの価値
一年間続いた「二冠」戦
約一年を通して、新日本プロレスの最高位のタイトルマッチは
「IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合」
という形で開催されてきました。
パンデミック下で試合数を限定されてしまう中、二本のベルトを一括りにすることは運営上はやりやすかったのかも知れません。
選手権を増やせばそれだけ試合数も増えるので、結果論として2冠は運営的にプラスに働いたのではないでしょうか。
では、これからはどうなるのか?
このまま2冠継続路線で行くのか?それとも解体するのか?或いは統一してしまうのか。
僕個人的には、今のIWGPインターコンチネンタル王座の行き詰まりは鎖国路線を歩んだ代償でもあると思います。
中邑真輔の輝きは、相手選手の輝きでもあった
物事が停滞すると、「あの頃は良かった」というノスタルジックな気持ちになったりするものです。
IWGPインターコンチネンタル王座(以下IC王座)もまた、中邑真輔というもはや伝記的な人物の存在がますます際立ってきました。
「真輔の時は良かった」
確かに、中邑選手は素晴らしかった。
しかし、相手選手もバラエティーに富んで素晴らしかった。
桜庭和志、ダニエル・グレイシー、シェルトン・X・ベンジャミン、ラ・ソンブラ、オリバー・ジョン、丸藤正道、AJスタイルズ…(他にもいっぱい)
他団体の選手を見てもこのラインナップ。(AJは所属契約だったのかな?)
総合もこなせる中邑選手の色とマッチメイクの妙もありましたよね。
なので単純に中邑選手の輝きのみでIC王座を評価すべきではないのかも知れません。
この経緯を踏まえ、2冠の継続、解体、それとも統一かについて考えてみたい。
鎖国化の代償
コロナ化にあって、マッチメイクの難しさは誰しも理解できるところです。
感染者も増加傾向にあり、このまま増え続ければドームの開催も危ぶまれるかも知れない。
海外から選手を招集するのが困難になるのならば、国内でも素晴らしい選手はいるのではないか?
確かに中邑選手には彼自身の色があった。
それがIWGPヘビー級王座とは違った選手権として、IC王座はファンの記憶にあり続けています。
しかし彼ほどの個性を求めなくとも、マッチメイク次第ではそれが「色」になりえるはず。
他団体の有力選手とのIC王座選手権が実現するだけでも面白いし、IWGPヘビー級選手権を新日本プロレス内だけで争えば差別化にもなるし権威性もつく。
でも、難しい。
独自路線を貫く新日本プロレスは、国内他団体の選手と絡むことはほとんどありません。
ゆえに、IWGPヘビー王座もIC王座も新日本プロレス内の同じ選手たちが順繰りで回すような選手権になってしまうのです。
差別化をしようにも出来ないのです。
「滾(たぎ)れる」選手権復活を期待
やみくもに他団体の選手と絡むのは、僕も反対です。
新日本プロレスは独自路線というブランディングでここまで回復してきたわけで、それは運営的にもそぐわないのでしょう。
しかし、ことIC王座に関してはもう少し自由度があっても良いのでは?
中邑真輔選手は輝いていた。でもバラエティー豊かなマッチメイクだからこそ中邑選手も滾りに滾り、よりIWGPインターコンチネンタル王座が輝いたのかも知れない。
今すぐでなくとも、2冠は解体して欲しい。
そしてもっと自由なマッチメイクが出来れば、IWGPヘビー級との差別化が出来、「最高のベルト」へと再び輝くのではないでしょうか。
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