異なるトップレスラーのあり方を提示する2人
新日本プロレスの二枚看板と言えば、オカダ・カズチカと内藤哲也。
芸能界の交友関係も広く、メディア出演も多くなってきたオカダ・カズチカ。乗る車やヘアスタイルに至るまでプロとして”魅せる”ことを意識し、プロレスラーのイメージアップを実践しています。
ちょっと前なら新日本と言えば棚橋弘至の発言に注目が集まっていましたが、今ではオカダ・カズチカの発言が新日本プロレスの指針のように見えることもある。
対して内藤哲也。先日の東スポの記事
にもある通り、内藤哲也は「プロレスファンがそのままプロレスラーになってしまった男」とも言える存在です。
東スポの記事でもキーワードとなっている「ファミレス」の他にも、内藤哲也というレスラーには、からあげクン、納豆巻き、広島カープ、スタバ、夜更かし、週刊プロレス、東スポなど、割と身近なキーワードが並びます。
新日本プロレスのトップレスラーとしての「格」を体現するオカダ・カズチカと、同じくトップレスラーながら「プロレス小僧」を体現する内藤哲也。
この二人のトップレスラーの”あり方”を考えてみたい。
異なる”あり方”
トップスター然とするオカダ・カズチカに、シンプルに憧れを抱く若者はいるはず。
良い車(フェラーリ)に乗り、芸能界に交友もあり、素敵な奥さんをもらい、リング上では輝かしいスポットライトを浴び続ける。
プロ野球選手やJリーガーに抱くようなイメージを、オカダ・カズチカに抱いてもおかしくはない。
一方、制御不能なカリスマとして絶大な人気を誇っていながら、今でもファン時代の気持ちを語り続ける内藤哲也。
友達とファミレスでプロレス談義をした…
浜口道場に通いながらローソンでバイトし、からあげクンをよく食べていた…
プロレス記事目当てに東スポをよく買っていた…
スターとして浮世離れした観のあるオカダ・カズチカに比べ、内藤哲也に対してはある種の親近感を抱く若者もいることでしょう。
それでは、世界的な規模を誇るプロレス団体のトップレスラーとして、どちらの”あり方”が正しいのか?
フェラーリかファミレスか
プロレスに対し他のジャンルにも負けない価値を与えようとするオカダ・カズチカのあり方も、トップレスラーになっても少年の心を忘れない内藤哲也のあり方も、そのどちらも素晴らしい。
なので優劣をつけることはできません。
むしろこの異なる個性によって、ファンの裾野が広がっている観さえある。
リング上での圧倒的な強さとセレブリティな私生活のオカダに「プロレスラーって今こんな感じなんだ!かっこいい!」と思う人もいれば、自らの”少年の夢”をもがき苦しみながら実現していく内藤哲也に「ドラマ」を感じ引き込まれる人もいる。
フェラーリかファミレスか
現在の新日本プロレスの「強さ」の中には、リング上の素晴らしさは勿論のことこういった異なったあり方を持つ2枚看板の存在が大きいのかも知れない。
それは
「自分はオカダのようなスターになりたい」
「いや俺は内藤が憧れ」
という新しい世代のレスラーを生み出すきっかけにもなるでしょう。
今後もオカダにはフェラーリで爆走し続けて欲しいですし、内藤にはファミレスで食い逃げし続けて欲しいですね。