プロレス時評

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なぜジェイ・ホワイトは新日本プロレスの救世主となりえたのか?

新日本プロレスの救世主ジェイ・ホワイト

なぜジェイ・ホワイトは新日本プロレスの救世主となりえたのか?

 

新日本プロレスをけん引していたレスラーの一人、ケニー・オメガ。彼が新日本を去ってからその重責を引き継いだのは当時25歳のジェイ・ホワイトでした。

ここ数年ダークヒーローブームが続く新日本プロレス。善と悪ではなく、「悪の中にある善」にファンが魅了される時代が続き、プロレスの代名詞でもある「勧善懲悪」の構図は過去のものとなっていました。

そんな中、初代バレットクラブのリーダー、プリンス・デヴィッド(フィン・ベイラー)を彷彿させるがごとく「悪の道」をひた走るジェイ・ホワイト選手。

端正なルックスを髭で覆い隠し、ファンに媚びないその姿勢は、棚橋弘至選手からも一目置かれています。

ジェイ選手はケニー選手なき新日本プロレスにさらなる勢いをもたらしたレスラーの一人でしょう。

完成された”20代”のプロレスラー

新日本プロレスの最高の名誉でもあるIWGPヘビーウェイトチャンピオン。

ジェイ選手はそれを史上3番目の若さで戴冠しました。外国人レスラーとしては史上最年少です。

ヤングライオン時代は真面目でちょっとナイーブな表情をしていた彼。

そのルックスから将来的に正規軍での外国人エース的なポジションを想像していましたが、現在の彼は真逆の存在のエース格と化しています。

勿論、彼の活躍は団体のプッシュの賜物でもあるでしょう。しかし、プッシュされても鳴かず飛ばずで終わってしまうレスラーが出て来るのがプロレス界の常です。

ジェイ選手にはそういったプレッシャーをもろともせず、逆に

「BREATHE WITH THE SWITCHBLADE」=俺とともに生きろ※訳は僕なりです(汗)※

 と自分の世界観に周囲を引き込もうとしている。

IWGPヘビーウェイトチャンピオン、IWGPインターコンチネンタルチャンピオン、そしてIWGPUSヘビーウェイトチャンピオンを既に手中に収めているという肩書きよりも、やはり自己プロデュース/自己プロモーションの上手さが既に完成されたレスラーのように見える所以でしょう。

しかし、異なった意見があることも事実です。

 

作れらた存在ではない

前述した「プッシュ」について考えるのならば

「ケニーのかわりなら誰だってそうなって(格上げされて)いくよね」

という意見もありますよね。

確かに、バレットクラブの中心になるということは、新日本プロレスの中心の一角になるということであり、世界的な人気ユニットの顔ということにもなります。ゆえに、それ相応の「格」が必要となってくる。

しかし、これも前述しましたが「プッシュされても鳴かず飛ばず」で終わってしまうレスラーは多い。ベルトを持ってもプロレスがファンの心に響かなければ、関心は薄れていく。

一方ジェイ選手には心に響くプロレスがある。いや、響かせ方のアプローチが異なる、と言った方が正確かも知れません。

あの選手がMSGでチャンピオンとなった時の大歓声
あの選手がG1を制した感動
あの選手が2冠を実現した時の会場のうねり

各々のレスラーの力量があるからこそ多くの人の心に響いたわけですが、その「善」に対し徹底的に「悪」を貫いたジェイ選手。

その「プロレス」もまた、心に響くものだと思っていますし、棚橋選手が評価する部分ではないでしょうか。

まだ20代半ばでそれをやってのけられるのは、今の新日本プロレスではジェイ選手しかいないでしょう。

 

世界最高のレスラーへの序章

「BREATHE WITH THE SWITCHBLADE」=俺とともに生きろ※訳は僕なりです(汗)※

野心家のジェイ選手は新日本プロレスという団体にすら「BREATHE WITH」と思っているに違いない。或いは、全世界の団体やファンに対しても。

この早熟のニュージーランド出身のレスラーはどこまで大きくなってしまうのか?

すでに完成されているレスラーと言っても過言ではありませんが、彼は27歳です。今はまだ世界最高のレスラーへの序章段階でしょう。

WWEからのアプローチの「噂」もあったジェイ選手、彼の活躍が今後ずっと新日本プロレスで見れるのかは不明です。

新日本プロレスで「彼とともに生きれる」うちに、彼のプロレスを思い切り楽しんでいきたい。

もし他の団体に行っても応援しますけれどね。

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