プロレス時評

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【新日本プロレス】オカダ・カズチカと内藤哲也

内藤哲也は史上初の偉業を成し遂げるのか?

【新日本プロレス】オカダ・カズチカと内藤哲也

 

『バンドリ!Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』1月5日(日)東京ドーム大会のメインイベントは

オカダ・カズチカ vs 内藤哲也

に決定しました。

こうなるであろうという予想も多かったこのカード。

僕はどちらかが史上初の偉業を達成するということ以上に、「この二人でメインイベントに上がる」ということ自体が、価値あるものだと思っています。

2010年代の黄金カード

2016年に発売された『ナンバーplus』の中で、オカダのインタビュー記事の中に、棚橋弘至の次のような言葉が引用されています。

「オカダ・カズチカ v.s. 内藤哲也は、棚橋 v.s. オカダのような定番になって、向こう5年引っ張れる黄金カードになる可能性もある」
(引用出典:ナンバーplus)

たしかに、その人気や存在感で言えば新日本の両翼であり、この二人以上のカードを今の新日本プロレス内からチョイスするのは難しい。

ただそれが棚橋 v.s. オカダまで鉄板化されたかと言えば、そうは感じません。

むしろ敢えてあまり交わらせないことで価値を作ってきたのが、オカダ・カズチカと内藤哲也ではないでしょうか。

 

インターコンチ

中邑真輔

中邑真輔は第四代のインターコンチネンタルチャンピオンですが、インターコンチ=中邑という印象のファンも多いはず。

ですが、オリンピック選手が銀メダルを一番悔やむように、その団体でナンバー2で有り続けるという悔しさを忘れてはいけません。

「自分の保持していくベルトが団体内で二番目の位置」となれば、尚更モチベーションのを保つのは難しいですよね。

だって頂点のIWGPヘビーに絡む機会が減少するのですから。

中邑真輔は当時を振り返る記事でも、オカダのプッシュは良いが自分の扱いについてはあまり良い心境ではなかったと語っています。

結果的に中邑はその「薄汚いベルト」を白を基調としたデザインに変え、IWGPヘビーとはまた違った魅力のあるベルトを作り出しました。

まさに彼の意地です。

ただ、IWGPヘビー自体が持つ強い理念に比べ、インターコンチは「中邑真輔の理念」のような印象が強い。

それが彼が去ったあとに

「インターコンチって必要なの?」

「インターコンチとUSって何が違うの?」

という疑問を生み出すきっかけになった観もありますよね。

 

内藤哲也

中邑真輔の次にインターコンチネンタル王者と言えば?

戴冠順などではなく、その印象として強烈なのは内藤哲也ですよね。

IWGPヘビー至上主義者の彼がインターコンチを持つ。

おのずとIWGPヘビー戦線からは遠のく。

彼のベルトの扱いには様々な意見がありましたが、そこには中邑真輔同様大きな決断もあったはずです。

団体内で屈指の人気を持ちながらも、IWGPヘビーの二番目のベルトの顔となる。

内藤哲也と中邑真輔のフレンドリーなエピソードなどほとんど目にしませんが、二番目のベルトといかに共存していくか、という点においては、共通の葛藤はあったことでしょう。

「海の向こうの彼はどう思っているのか」

時折内藤から発せられるこの種の発言は、中邑に対する挑発というよりも、同じ境遇を知る者への何らかの意思表示なのかもしれません。

 

グランド・フィナーレ

嫉妬から共闘願望→失敗

この本の中では、ヤングライオンとして入ってきたオカダ・カズチカへの内藤哲也らしい「嫉妬」が語られています。

本当に嫌だったんだろうなとw

ですが、必死に練習についていくオカダを認め始め、一緒に出掛けるようにもなった内藤哲也。

オカダが海外修行中の期間、棚橋・中邑が支配する新日本の状況に、いつしか彼は

「一緒に上を倒しに行こう、早く帰って来いよ」

という気持ちにまでなっていました。

しかし、現実は残酷でしたね。

海外から帰ってきたオカダ・カズチカの輝きがすさまじく、内藤哲也は共闘どころか完全に舐められキャラになってしまいました…。

グランド・フィナーレ

今回の二冠戦は、IWGPヘビーとインターコンチを同時に保持する史上初の偉業という面が強調されています。

が、

僕はこうも思います。

棚橋・中邑時代が終焉した後、それぞれの道で新日本プロレスを盛り上げて来たオカダ・カズチカと内藤哲也の終局(グランド・フィナーレ)だと。

お互い切磋琢磨したヤングライオンの時期を経て、一方はIWGPヘビー級のベルトとともに新日本プロレスの看板となった者。もう一方は日本全国でブーイングを食らってしまうほどもがき苦しみ、やっと「光が見えた」者。

交わる機会は少なくとも、新日本を盛り上げたい、という気持ちはお互い共通なものを持ち戦ってきたはず。

今後もこの二人の絡みはあると思いますが、今回の二冠戦で一つの大きな区切りがつくことは確かでしょう。

僕はこの絵が観れるだけでも、お腹いっぱいですね。

≪END≫

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