【新日本プロレス】 上村優也という逸材

新日本プロレスのヤングライオン上村優也は逸材である…

2020年1月4日、5日のドーム大会へ向け徐々にカードが決まりつつあります。

ドーム前のこの時期は毎年恒例の中だるみのような期間でもあり、真剣に試合に取り組んでいる選手には申し訳ないのですが、この時期の興行にはなかなか関心が向きません。

関心が向かないというよりも、今回のドーム大会はいつにもまして「既定路線」感が否めなく、乗れません。「どっちが勝つんだろ」というワクワク感もあまりなく、「どうせドーム近くなれば盛り上がってくるんだろう」という祈りのようなものを心の片隅に置いているだけの状態です。

G1クライマックス終了後からドーム前までを下半期とするのならば、私がこの下半期でもっとも印象に残っている選手、それはヤングライオンの上村優也です。

上村優也

怒り

上村優也の印象は?と聞かれれば、フィジカル、負けん気、髪型、素朴さ…などなんとなくの羅列できるものはあるでしょう。

私が感じる彼の印象は、「何かにイライラしている感じ」です。

諦めない、とか、負けたくない、悔しい、というヤングライオンの良い意味でのイライラというよりは、いつ何をするかわからない雰囲気が感じられるんですよね。

例えば、この前のジュニアタッグリーグで、「パワハラじゃないの?」的な感じで注目を集めたタイガーマスクと上村のタッグ。

私はこの二人がタッグリーグ戦をこなして行くことよりも、「上村、いつタイガーにブチ切れるのかな」とさりげなく期待してました。


The people believe in a bright future for Yuya Uemura! (#njpst)

このリーグ戦では試合が終わるごとにタイガーマスクの叱咤激励がありました。タイガーマスクのキャリア、実績、それは勿論上村優也も承知しているし、リスペクトの気持ちもあるでしょう。

しかし、上村の試合後のコメントの様子や表情を見るかぎり、タイガーさんタイガーさんと真摯に受け止めているようで、何かいら立っているような印象を受けました。

タイガーさん申し訳ございませんという反省というよりも、やや反抗的なニュアンスのいら立ちです。

反省しているようで、実は反省していないんじゃないか?とも思える逸材感。

この何を考えているのかわからない感じは、プロレスラーとして非常に魅力的ですよね。

棚橋弘至の上村優也評


【SOUND ONLY】棚橋弘至のPodcast Off!!#135 逸材が『ヤングライオン杯』を徹底解説! “LA道場”襲来の衝撃を語り尽くす!

飯伏に対抗できるもの

このポッドキャストで棚橋弘至は「飯伏に対抗できるフィジカルを持っているのは上村」と言っていましたが、私はフィジカルよりも何をしでかすかわからない雰囲気=トンパチ的な部分の方がより対抗できると思いました。

この間大田区総合体育館で行われた『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト』。セコンドにいた上村優也が他団体の若手に突っかかっていくのを期待したのは、私だけですかね?

プロレスなのかガチなのか

怒りを表現できる稀有な存在

ヤングライオンと聞くと、そのひた向きな佇まいや派手さのない殺伐な印象から「新日本らしい」という言葉がついて回ります。

たしかにヤングライオンシステムは「目上の者を敬う」という日本人らしい精神を形成する良い期間であり、伝統でもあります。

それと同時に、彼らは特別なギミックを与えられていない状態で、特別な技の使用も許可されない状態で、どう個性を発揮するかも問われています。

この上村優也という選手の表情には、言いようのないやるせなさや、いら立ちが垣間見え、観る者に(少なくとも私には)「プロレスなのかガチなのか」の線引きを忘れさせる不思議な魅力を放っています。

2020年の東京ドーム大会へのトップ選手たちの「既定路線」感が、より一層上村優也、またはヤングライオンたちを引き立て、私にそう思わせるのかも知れません。